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政治家に必要な、涙とともにパンをかみしめる体験

冷静な判断力、実社会に関する体験と道徳的資質とともに

杉田聡 帯広畜産大学名誉教授(哲学・思想史)

こういう行為をおこなう能力は、政治家になって初めて身につけた?拡大こういう“能力”は、どこで身につけた?

勉学より重要なのは実社会での体験と共感である

 では、こうした資質を備えるためには、そもそも何が必要なのだろう。

 学校教育も必要な条件となりうる。ただし、高卒か大卒か、「名門」校出か非名門校出かなどは、無関係だろう。どの学歴・学校歴も、政治家に固有なエートスをつくる保障にはならない。

 むしろ高い学校歴をほこる人は、偏差値教育への適応をつうじ、「短時間内に頭脳のなかに蓄えた知識を要領よく紙上に再現する能力――というより技術――を持つ」かもしれないが(尾形憲『学歴信仰社会――大学に明日はあるか』時事通信社、28頁)、それだけが価値ある人間的能力でない。ましてや、それが政治家にふさわしい能力だとは、とうてい言えない。

 いや事態はむしろ逆で、

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筆者

杉田聡

杉田聡(すぎた・さとし) 帯広畜産大学名誉教授(哲学・思想史)

1953年生まれ。帯広畜産大学名誉教授(哲学・思想史)。著書に、『福沢諭吉と帝国主義イデオロギー』(花伝社)、『逃げられない性犯罪被害者——無謀な最高裁判決』(編著、青弓社)、『レイプの政治学——レイプ神話と「性=人格原則」』(明石書店)、『AV神話——アダルトビデオをまねてはいけない』(大月書店)、『男権主義的セクシュアリティ——ポルノ・買売春擁護論批判』(青木書店)、『天は人の下に人を造る——「福沢諭吉神話」を超えて』(インパクト出版会)、『カント哲学と現代——疎外・啓蒙・正義・環境・ジェンダー』(行路社)、『「3・11」後の技術と人間——技術的理性への問い』(世界思想社)、『「買い物難民」をなくせ!——消える商店街、孤立する高齢者』(中公新書ラクレ)、など。

※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです

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