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小林顕作がサスペンスコメディを演出/上

『THE BANK ROBBERY!~ダイヤモンド強奪大作戦~』日本初上演

大原薫 演劇ライター



拡大小林顕作=宮川舞子 撮影
 
 イギリスで大ヒット上演中のコメディ『THE BANK ROBBERY!~ダイヤモンド強奪大作戦~』が日本で初上演される。

 軽快なテンポの中で巧みな言葉遊びと計算されたストーリー構成、意表を突く演出で数々の演劇賞を受賞した作品。1958年夏、アメリカ合衆国ミネソタ州の銀行でハンガリー国王子から非常に高価なダイヤモンドを預かり、その街のスリ、脱獄囚、泥棒、詐欺師たちがダイヤモンド窃盗の陰謀を図って騙し、騙され合いが勃発するサスペンス喜劇だ。

 翻訳は谷賢一。出演は原嘉孝(宇宙Six/ジャニーズJr.)、桜井玲香(乃木坂46)、元木聖也、田中要次ら。

 本作を演出する小林顕作。NHK Eテレ『みいつけた!』のオフロスキー役でも知られる小林は『パタリロ!』など独特のセンスで笑いを追求する演出家としても知られる。本作について、小林が考える笑いについて話をうかがった。

この作品はドリフターズの感覚に近い

拡大小林顕作=宮川舞子 撮影

――この作品で面白いと思われたところは?

 構造ですよね。「この人がこんな事件に巻き込まれたとき、別の人が出てきて……」とどんどん重なっていく構造が面白くて。アメリカやイギリスのコメディのうまくできているところですし、万国共通で笑えるおかしさなので、そこを存分にやりたいなと思いますね。あと、視点やものの見方の入り口が70年代に僕らが見ていたドリフの感覚にすごく近いものがあって。

――ドリフターズですか(笑)。

 イギリスでこの舞台を見たとき「久々にドリフを見たな」という感覚をもらったんです。ドリフを見たときのワクワク感や「馬鹿だな~」と思う感覚がここにはあるっていうか。僕らが上演するにあたってはイギリス版の再現をするわけではなく、僕らの座組なりの「新しいドリフ」という感覚を掘り起こしたいなと思います。僕の予想を超えて、誰が長さんで、誰が志村けんさんになるかわからないみたいな感じ。ドリフの黄金比率はすごかったと思うし、それぞれのシーンで黄金比率のピースにハマる人たちがみんな揃ってるので、僕はそれをうまく誘導出来たらなと思います。

――小林さんが演出される場合、笑いが多い作品が多いと思うのですが、演劇で笑いを見せるにあたってのこだわりは?

 なんでしょうね。笑いはジャンルとして難しいと思っているので、難しいからこそやっているというところがある。いろいろな笑わせ方や面白さ、そんなに受けないけど実際はお客様が面白がっているものなどいろいろあると思うので、そこにはこだわりは持たない。「僕の笑いってこうなんです、さあどうぞ」というふうに絶対にしないようにしているというか。カッコいい言葉で言っちゃうと僕のセンスをどれくらい楽しんでもらえるか。「ヤバイ。今日、馬鹿みたいなのを見たけど、センスよかったよね」と思ってもらえたら嬉しい。テレビでもセンスが良い笑いと悪い笑いとあって……どういうものがセンスが良いかというのは言葉では言い表しにくいのですが。僕もいろんな方と比較されて言われることがあるので、僕が言っていることが正しいのだろうかと自問自答する毎日ですが、それでも根拠のない自信があって、カンパニーで演じるとき、僕のセンスを信じてほしいと思うんです。カンパニーのみんなに信じてもらって、臆することなくやってほしいという気持ちでいます。ライブだからその日ごとに出来は違うと思うけど、一番大事なのはお客様が帰るときの感じなのかな。

◆公演情報◆
『THE BANK ROBBERY!~ダイヤモンド強奪大作戦~』
東京:2019年8月2日(金)~8月12日(月・祝) 新国立劇場 中劇場
大阪:2019年8月16日(金)~8月17日(土) 森ノ宮ピロティホール
★夏休みスペシャル/8月7日(水)12:30 ・3歳以上のお子様から観劇可能(託児サービスもあり)。小学生以下の子供料金も設定。詳しくはホームページまで。
公式ホームページ

[スタッフ]
原作:「The Comedy About A Bank Robbery」by Henry Lewis, Jonathan Sayer & Henry Shields
翻訳:谷 賢一
演出:小林顕作
[出演]
原 嘉孝(宇宙Six/ジャニーズJr.)、桜井玲香(乃木坂46)、元木聖也
尾上寛之、しゅはまはるみ、溜口佑太朗(ラブレターズ)、塚本直毅(ラブレターズ)
大堀こういち、市川しんぺー
田中要次 ほか

〈小林顕作プロフィール〉
 1996年から劇団宇宙レコード(※)を主宰し、脚本・演出・主演を担当。また、ダンスユニット「コンドルズ」においてコント部門の脚本を担当。フォークデュオ「羊」として音楽活動も行っている。『MATSUぼっち』シリーズの構成・作・演出や『パタリロ!』『帝一の國』の演出などを手掛け、劇団以外の出演作品も多数。NHK Eテレの「みいつけた!」“よんだ?”コーナー、オフロスキー役で出演中。
※「レ」の文字を丸で囲むのが正式表記。
小林顕作公式サイト

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筆者

大原薫

大原薫(おおはら・かおる) 演劇ライター

演劇ライターとして雑誌やWEB、公演パンフレットなどで執筆する。心を震わせる作品との出会いを多くの方と共有できることが、何よりの喜び。ブロードウェー・ミュージカルに惹かれて毎年ニューヨークを訪れ、現地の熱気を日本に伝えている。

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