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小林顕作がサスペンスコメディを演出/下

『THE BANK ROBBERY!~ダイヤモンド強奪大作戦~』日本初上演

大原薫 演劇ライター



小林顕作がサスペンスコメディを演出/上

役者のパーソナリティをそのまま舞台に上げたい

拡大小林顕作=宮川舞子 撮影
 
 ――主役のサム・モナハンを演じる原嘉孝さんのどんな点を見せられたらいいなと思いますか。

 初対面のときにやんちゃな感じがあったのでそこをいじったんですけど、原くんってちょっとワルな匂いがする(笑)。出身が川崎と聞いて「お前、ワルだっただろう?」「いや、俺なんか大したことないっすよ」と言っている感じが既にワルいというか。原くん自身が本当に悪い子ではないんですけど。(元木)聖也くんは本当に無垢な子なので対照的だし、原くんが持っているやんちゃさを出すというのがテーマですね。

――原さんは今回、舞台初単独主演だそうですね。

 そうは思えないくらい堂々としていて、さっきの公開稽古でも「緊張しちゃった」と言ってましたけど、肝が据わってますよね。頼もしいなと思うし、萎縮してしまうとつまらないから、ちょっと偉そうなくらいのほうがこれからもっと面白くなるんじゃないかな。「礼儀を忘れず、でも、ちょっとワルそう」というのがジャニーズの代名詞みたいなところがあるじゃないですか。誰もがちょっとワルい子に惹かれる気持ちというのは持っていると思う。そういう点でも原くんはとても頼もしいなと思います。

――先ほどの会見では桜井玲香さんが「自分が稽古前に『こうやろう』と思って用意してきたことは、稽古場でことごとく顕作さんに覆される」とおっしゃってました。

 役者が用意してきたものはことごとく壊すようにしています。わざと壊すわけではないですけど、芝居の内容とマッチングしていないなと思った時点ですぐにやめてもらったり、全然違うアプローチにしてもらったり。僕の持論では、その人そのままでいるのが一番面白いと思っているんですよね。事前に用意してきているというのは、仮面をかぶっているということじゃないですか。仮面をかぶったとしても、お客様にはすぐにバレてしまう。それなら、「あなたそのままが一番面白い」といつも言っているんです。普段持っている空気感や色気、面白い感覚や間というような、その人のパーソナリティをそのまま舞台に上げたいというのが僕の信条なので。原くんとも最初に話し合いをしたんですが、「作った表情は僕はいらない。自分からキャラクターに寄せようとすると自分ではなくなってしまうから、なるべく君のままでいてくれ。そうやっていたら、必ずキャラクターの方から寄ってきてくれる」と言ったんです。これは、僕が今まで何度も経験してきて確信していること。だから、舞台では演じるのでなく、その人自身でいてもらうようにしていますね。

◆公演情報◆
『THE BANK ROBBERY!~ダイヤモンド強奪大作戦~』
東京:2019年8月2日(金)~8月12日(月・祝) 新国立劇場 中劇場
大阪:2019年8月16日(金)~8月17日(土) 森ノ宮ピロティホール
★夏休みスペシャル/8月7日(水)12:30 ・3歳以上のお子様から観劇可能(託児サービスもあり)。小学生以下の子供料金も設定。詳しくはホームページまで。
公式ホームページ

[スタッフ]
原作:「The Comedy About A Bank Robbery」by Henry Lewis, Jonathan Sayer & Henry Shields
翻訳:谷 賢一
演出:小林顕作
[出演]
原 嘉孝(宇宙Six/ジャニーズJr.)、桜井玲香(乃木坂46)、元木聖也
尾上寛之、しゅはまはるみ、溜口佑太朗(ラブレターズ)、塚本直毅(ラブレターズ)
大堀こういち、市川しんぺー
田中要次 ほか

〈小林顕作プロフィール〉
 1996年から劇団宇宙レコード(※)を主宰し、脚本・演出・主演を担当。また、ダンスユニット「コンドルズ」においてコント部門の脚本を担当。フォークデュオ「羊」として音楽活動も行っている。『MATSUぼっち』シリーズの構成・作・演出や『パタリロ!』『帝一の國』の演出などを手掛け、劇団以外の出演作品も多数。NHK Eテレの「みいつけた!」“よんだ?”コーナー、オフロスキー役で出演中。
※「レ」の文字を丸で囲むのが正式表記。
小林顕作公式サイト

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筆者

大原薫

大原薫(おおはら・かおる) 演劇ライター

演劇ライターとして雑誌やWEB、公演パンフレットなどで執筆する。心を震わせる作品との出会いを多くの方と共有できることが、何よりの喜び。ブロードウェー・ミュージカルに惹かれて毎年ニューヨークを訪れ、現地の熱気を日本に伝えている。

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