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「ジャニーズ注意」で思う地上波が見捨てられる時

矢部万紀子 コラムニスト

のんがテレビドラマに出演できない「異常」

 テレビの世界のことは詳しくないが、出版の世界は少し知っている。

 「新しい地図」スタート直後に大手出版社の上層部が「『新しい地図』禁止令」を出したという話を聞いたし、「解散まで嵐にたくさん登場いただくため、SMAP解散関連はタブー」という出版社の人もいた。これらもきっとジャニーズ的には「弊社が出版社に圧力をかけた事実はない」で、出版各社の「独自の判断」なのだと思う。

 だから公取の「注意」くらいで事態は変化しないと思う。ジャニーズには嵐がいてキンプリがいて、他にも上はアラフィフから下はアラテンまで老若男男がいる。一方、「新しい地図」はそれぞれが魅力的とはいえ、あくまでも3人だけ。予測される視聴率や雑誌売り上げの総量が違い過ぎる。

 同じ論理の中に押し込まれてしまっているのが、旧・能年玲奈、現・のんだ。

のんさん拡大所属事務所との問題の後、のんさんは、地上波のテレビドラマに出演していない

 ジャニーズへの「注意」が報じられた18日、16年から彼女のマネジメントに携わっている会社の代表がそのことを表明した。株式会社スピーディの福田淳代表で、「エンタメ産業の未来」と題した文章をホームページとフェイスブックで発信した。

 テレビ局の若い編成マンからたくさんすばらしい企画がくるが、話が進むと突然、上司や担当役員に潰される。そういう状態が3年も続いている――具体的でリアルな文章だった。「のんが3年間テレビ局で1つのドラマにも出演が叶わないことは、あまりにも異常ではないでしょうか?」と訴えていた。

 そうだ、そうだと思う。だが、このこともテレビ局が報じる様子は一向にない。のんは「新しい地図」より少ない、たった1人なのだ。

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筆者

矢部万紀子

矢部万紀子(やべ・まきこ) コラムニスト

1961年生まれ。83年、朝日新聞社に入社。宇都宮支局、学芸部を経て、週刊誌「アエラ」の創刊メンバーに。その後、経済部、「週刊朝日」などで記者をし、「週刊朝日」副編集長、「アエラ」編集長代理、書籍編集部長などをつとめる。「週刊朝日」時代に担当したコラムが松本人志著『遺書』『松本』となり、ミリオンセラーになる。2011年4月、いきいき株式会社(現「株式会社ハルメク」)に入社、同年6月から2017年7月まで、50代からの女性のための月刊生活情報誌「いきいき」(現「ハルメク」)編集長をつとめた後、退社、フリーランスに。著書に『美智子さまという奇跡』(幻冬舎新書)、『朝ドラには働く女子の本音が詰まってる』(ちくま新書)。

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