こんな雰囲気なので、ミン・ヨンチの出演はいかがかと…。政治は自分たちで解決して!
2019年08月06日
*この記事は筆者が日本語と韓国語の2カ国語で執筆しました。韓国語版(한국어판)でもご覧ください。
本当にひどい状況になった。これはいてもたってもいられなくなり、書くことにする。
おそらく、15年周期くらいでやってくる、日韓の喧嘩。私からすると、「また、始まったか……」。
お互いの言い分も分かる。
「もうこれ以上、負けない!」
「もうこれ以上、黙っておかない!」
OK!! 分かります!!
何か普段からたまっていたのでしょ。お互いに、いやに思うことが。言葉や表に出せなかったけど、あんなこと、こんなことが。普段から、そう思っていたのでしょう。
けどね、政治や経済の問題なんですよ。結局は!
その問題を、マスコミなどを利用して、市民たちをあおってるんですよ!!
政治家たちは次の選挙の票が欲しいから。安倍さんは北朝鮮嫌いだから、今、北朝鮮と仲が良い文さんが嫌い。文さんは、韓国では今あまり支持率が良くないので、ここぞとばかりに嫌日を唱えて市民の心をつかもうとしている!
バカじゃないの!!??
自分の支持率が上がるからでしょ。
票や支持率は他のもっと良い事で、取れるはず。
政治家のバックにいる、経済人たちも、相手を否定しないで、いい物を作るのに時間を使い、努力しなさい!!
日韓の関係が悪くなって、得をするからでしょ。自分の会社の製品が、もっと売れるようになるからでしょ。
黙っててもバレバレですよ!!
こうやって書くのにも、勇気がいります。
僕のジョブである、日韓交流関係の、公演は全てキャンセル。
周りの日本語や韓国語、文化や教育に関する行事やスケジュールがほぼキャンセル……。
また、つい先日電話で聞いた話が、韓国で8月に大きな公演があって、その出演者選考会議に僕の名前が上がったと。
その出演者選考会議で、スタッフが、今、国がこんな雰囲気なので、ミン・ヨンチの出演はいかがなものかと……。
そこで、キム・ドクス(サムルノリ創始者)先生、後輩のシンちゃん(「アンサンブル・シナウィ」という伝統音楽のグループの代表)や、他のミュージシャンたちが、「何を言ってるんだ! 今、こういう時だからこそ、ミン・ヨンチを出演させなきゃいけないんだろう!」。
この話を聞いてびっくりした。「今この両国の雰囲気」に僕も当てはまるのにビックリ。
なぜ、僕が、今、国の雰囲気と、関係があるの?
僕はね、日本で生まれた!
祖父祖母が植民地時代、仕事が無くなり生活に困って日本に引っ越したのだ。祖父祖母も「日本籍」となった。けど、終戦後、日本は朝鮮半島から来た人を一方的に一律「朝鮮籍」に戻したのだ。
だから、僕は、今も韓国人。日本にいる韓国人。
日本の友達も半分、韓国の友達も半分。
両国を行き来し、音楽をやっているだけ。
半分半分だから、主観的にも、客観的にも感じているので、発言します!!
政治家たちよ、国民をあおるな!!
死活問題になっている人たちがたくさんいるし、各国での、民族的ないじめにもつながります。
こんなこと何とも思っていないんでしょうね。だって、今の内閣のほとんどが、政治家の2世3世の集まり。
すなわち、極端な世界で裕福に育っているのですよ。
そんな人たちに、一般市民の死活問題とか、いじめっていう、単語がそもそも耳にも入らず。理解すら出来っこない。
韓国も一緒、潜在的に、在日韓国人を嫌っている。
祖国を裏切ったとか、裏切ってないとか……。あのね、当時、祖国を裏切って、成功した人たちは、現在韓国で莫大なる財閥になっていますよ。いわゆる親日派かな。
あー、悲しい。
経済や政治の問題は、自分たちの間で解決してほしい。
けどね、地球では隣同士でこんなに仲がいい国は珍しいそうですよ。
今や市民同士は、本当に仲がいいじゃないですか。旅行に行ったり、文化に触れあったり。それぞれの文化を認め合い、良い所を探し合い好きになっているお隣同士の国って珍しいらしい。
やはり、教育も大事!!
特に歴史教育。
僕はあまり、歴史の授業が好きではなかった。なぜかって言うと、教えてくれるのは、戦争ばっかり。
誰が誰に勝った、とか、誰が領土を広めた、とか。
それを、英雄!!って人は言う。信じられない。
そりゃ、その中には、いい人もいたのでしょうが、大半は、喧嘩が強い、要はたくさんどれだけ人を殺したか、でしょ。
人間はやはりそこに興味があるのかなあ?
ドラマや映画の、興行成績がいい作品は、やはり人が死ななければいけません。
数が多いほど、人気が出ます。
確かに制作陣は、人を殺すのをメッセージとして作ってるわけではなく、人を傷つけてはいけません的なメッセージも入っていると思います。
けど、人を殺さず、傷つけない、名作ドラマや映画もあるのです。
だから、歴史も戦いに勝った人物を強調しないで、その中でも、平和を唱え、家族や周りを助けた人物をたくさん教えてほしい。
もちろん、戦争は2度としてはならないという、教育をしているのでしょうが、半面マインドコントロールではないが、愚かな人たちには、私も英雄になってやるという、潜在的教育にもなりえる。
英雄と歴史教育、ちょっと考えてほしいところです。
文化人と教育者は別です。
喧嘩が嫌いです。
僕は、もめ事が嫌いなので音楽をやっています。
今この状況で、お互いがもめ、主張するまではいいが、国民たちをあおり、間違った判断に走ることを、後世の子どもたちや、子孫たちに自信をもって伝えられますか?
それとも、お金持ちの大国のトップがきたら、ゴルフや高級料亭で接待しなさい、とか、そんなことを子どもたちにおしえるのですか。
いつも思うけど、外国の主賓がきたら、その国のちょうど、真ん中レベルの、ホテルやレストランで接待するという、国際接待条例つくったらいいのに。
だったら、その国の状況が分かるし、協力し合えると思うんです。
みんな、見栄ばっかり張って、バレバレですよ。
あれをこうさせたから、こうしたとか、相手が悪いから、こうせざる得なかったとか……もういいです、この繰り返し。
まずは自分個人から始めるのです。
両国への旅行者の数も激減している。
だから、私も行かない、こわい……。周りが喧嘩しているから、わたしも、みたいな、愚かな考えはやめて、自分自身の考えを大事にしてください。
お願いです。
両国の政治に腹立ててください!
人間同士を嫌いにならないでください!!
わたしは日本と韓国の狭間で生まれました。
皆さんが感じる、日韓関係が、私は、生まれて物心がついた瞬間から、感じているのです。
毎日、毎時間、毎分、毎秒。
日本と韓国は両親みたいな存在なのです。だから、夫婦喧嘩をみている子どもの気持ちなのです。
有料会員の方はログインページに進み、朝日新聞デジタルのIDとパスワードでログインしてください
一部の記事は有料会員以外の方もログインせずに全文を閲覧できます。
ご利用方法はアーカイブトップでご確認ください
朝日新聞デジタルの言論サイトRe:Ron(リロン)もご覧ください