河野外相こそ無礼。日韓関係を考える最低限の条件
日韓請求権問題の基本は、不法な植民地化という事実である
杉田聡 帯広畜産大学名誉教授(哲学・思想史)

日本の韓国併合時代、天照大神と明治天皇をまつった朝鮮神宮=ソウル
「併合」したのは日本である
そもそも問われるべきは、請求権協定の存在理由である、日本による韓国併合の事実である。この事実を、請求権協定交渉時の日本政府も今日の日本政府も、深刻に問おうとしていない。だがここで何より確認されるべきは、日本が、一個の独立国である韓国を併合したのであって決してその逆ではない、という明確な歴史的事実である。
韓国が、首都に近い要衝の島に軍艦を接近させ、日本側からの発砲があったと見せかけてそこを砲撃・占領したのではない。韓国が、日本政府の不案内をよいことに、砲艦外交をもって、他に例のない不平等条約を結ばせたのではない。韓国が、日本の国内問題(韓国民間人が日本で起こしたクーデター騒ぎをふくめ)に乗じて、武力を通じて日本に内政干渉したのではない。韓国が、清国との戦争のために天皇を虜にして韓清戦争を始めたのではない。韓国公使が、韓国陸軍との意思疎通の下に、韓国壮士および自ら支配下においた日本の守備隊を使って日本の皇后を暗殺したのではない。
そして第2次韓日協約の締結に際して、韓国が、首都に兵を送りこんで、天皇および要人を脅しつつ協約への署名を脅迫したのではない。韓国が、日本を植民地統治下に置いたのではない。韓国が、天皇の退位を迫ったのではない。韓国が、日本各地に土着宗教の大規模な社をつくって、日本人に礼拝を強いたのではない。韓国が、日本人の民族性を抹殺せんと、日本人固有の名前や日本語を奪ったのではない。韓国が、日本を食料庫にし海外侵攻のための兵站基地としたのではない。韓国が、日本「人民の奴隷状態」(カイロ宣言)をつくったのではない。韓国が、日本人を国内に労務動員し、しかも戦後帰国できなくなった日本人徴用工とその子孫に差別的な地位を強いているのではない。
すべてはその逆であって、日本が、朝鮮および朝鮮人に対してこれらを行ったのである。
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