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三浦百恵さんのキルト集『時間の花束』は叫ばない

矢部万紀子 コラムニスト

1979年拡大1979年当時の三浦(旧姓・山口)百恵さん。今年1月で60歳になった

 三浦百恵さんの著書『時間(とき)の花束 Bouquet du temps――幸せな出逢いに包まれて』(日本ヴォーグ社)の初版10万部が完売したと、ネットニュースが報じていた。販売前に予約をし、即入手、完売に貢献した1人である。百恵ファンとしては、当然のことだ。

 感想を一言で言うなら、すごく抑制的な本だった。目立たない、控えめでいく。その意思が伝わってきた。

三浦百恵さんの著書『時間(とき)の花束 Bouquest du temps――幸せな出逢いに包まれて』(日本ヴォーグ社)拡大三浦百恵著『時間(とき)の花束 Bouquet du temps――幸せな出逢いに包まれて』(日本ヴォーグ社)
 カバーのほぼ半分を「帯」が覆っている。<引退後の30数年間、時間を丁寧に紡ぎながら、日記のように綴ったキルトの数々。人を思う愛に満ちあふれたそれらの作品が、今、美しい花束のような1冊に。>というコピーと共に、バラを描いた作品の写真が大きく掲げられている。

 ところが帯をはずし、カバーだけにすると、写真はぐっと小さくなる。ちょうどトランプの札くらいのサイズ。帯は出版社によるCMで、著書の思いはトランプ1枚分。わかってはいるが、小さ過ぎる――。

 あ、ファンとしての心の叫びを書いてしまった。そう、百恵さん、控えめすぎる。叫んでくれとは言わないが、心情くらい吐露してくれてもいいではないか。それを期待してたのに――。あ、また心の叫びを書いてしまった。

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筆者

矢部万紀子

矢部万紀子(やべ・まきこ) コラムニスト

1961年生まれ。83年、朝日新聞社に入社。宇都宮支局、学芸部を経て、週刊誌「アエラ」の創刊メンバーに。その後、経済部、「週刊朝日」などで記者をし、「週刊朝日」副編集長、「アエラ」編集長代理、書籍編集部長などをつとめる。「週刊朝日」時代に担当したコラムが松本人志著『遺書』『松本』となり、ミリオンセラーになる。2011年4月、いきいき株式会社(現「株式会社ハルメク」)に入社、同年6月から2017年7月まで、50代からの女性のための月刊生活情報誌「いきいき」(現「ハルメク」)編集長をつとめた後、退社、フリーランスに。著書に『美智子さまという奇跡』(幻冬舎新書)、『朝ドラには働く女子の本音が詰まってる』(ちくま新書)。

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