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飯豊まりえ&宅間孝行インタビュー/上

タクフェス『流れ星』、古き良き時代の生き方に何か感じられるんじゃないかな

真名子陽子 ライター、エディター



拡大飯豊まりえ(右)と宅間孝行=宮川舞子 撮影

 宅間孝行さんが仕掛けるエンターテインメントプロジェクト「タクフェス」。その第7弾となる『流れ星』が、10月~12月まで各都市で上演されます。『流れ星』は、宅間さんが主宰されていた劇団「東京セレソンデラックス」の代表作で、今回キャストを一新し10年ぶりに上演されます。

 作・演出・出演の宅間さんと、舞台初出演で魔法使いのマリー役を演じる飯豊まりえさんにお話を伺いました。宅間さんからはこの作品を今上演する理由や初舞台の飯豊さんへのアドバイスなど、飯豊さんには魔法使いという役についての感想や宅間さんの印象など、それぞれの立場からの思いを聞かせていただきました。

 物語は…
 東京の片隅にある古びた下宿屋「徳秀館」。星野謙作と夏子の熟年夫婦が営んでいるが、2人の間は冷え切っていた。そんなある日、会話らしい会話もなくいつものように出かけた謙作は、出かけた先で突然倒れ、そのまま帰らぬ人となってしまう。それから初七日を終えたある夜、夏子の前に突然、魔法使いだと称すマリーが現れ、夏子の願いを四つ叶えてくれるという。半信半疑の夏子だったが、人生をやり直すため、謙作と結婚をする前の時代にタイムスリップをすることに。そして夏子とマリーは、1970年、昭和45年へ。…果たしてマリーの正体は?目的は?夏子の知らなかった事実が、次第に明らかに…。

50年後の僕たちが50年前を振り返って考える

拡大宅間孝行=宮川舞子 撮影

――初演時にどのような意図でこの作品を創られたのでしょうか?

 宅間:10年以上前にうつみ宮土理さんが僕の作品を観に来てくださって、僕の作品に出たいと言ってくださったんです。それじゃあ、やりましょうということになり、うつみさんと一緒に芝居をやるなら……というところから始まった作品です。小劇場で自分と同じ年代の人たちとやっていたところに、初めて年代の違う方が入ってこられるということで、そういう方と一緒にするお芝居はどういう話が良いだろうか、創れるだろうかというところからでしたね。

――なるほど。

宅間:その前から昭和を背景にした作品をいろいろ創っていて、その一環ではないんだけど、70年代をやっていなかったので、70年代を背景にした物語をやってみたいなと思ったんです。もちろんそれだけじゃなく、いろんな要素が組み合わさっているんですけどね。

――ホームページのコメントに、今やる意味がきっとあると書かれているんですが、その意味って何でしょうか?

宅間:この物語の大きなテーマになっているのは愛なんですが、裏テーマというほどではないですが、この時代が持っている古き良き時代の考え方や生き方は、もしかしたら今観たときに何か感じられるんじゃないかなと。要は、今ここから未来を語るじゃないですか。これがいいはず、これはダメだろうとか。それは確実に何十年か経ったら検証されるわけですよね。難い話だけど原発が良いのか悪いのか、それは僕たちそれぞれの価値観や考え方があって、でも50年後にはきっと結果が出てると思うんです、間違っていたのか、正しかったのか。50年後の僕たちが50年前を振り返って、あの頃に考えていたことはどうだったんだろうと考えるはずなんですね。それを今やってもいいんじゃないか、50年前を問えるんじゃないかなって、今しゃべりながら考えています(笑)。

――(笑)。ありがとうございます。

宅間:常にそんなたいそうなことを考えながら生きていないですけど、お客さまがいろいろ教えてくれるんです。これってこうですよね、こういうことが言いたいんですよねって。

宅間さんがイメージするマリーに近づけたら

拡大飯豊まりえ=宮川舞子 撮影

――飯豊さんは今回が初舞台です。出演が決まった時の感想は?

飯豊:最初は、急に決まったので驚きしかありませんでした。けれど、台本を読ませていただいて、読み進めるのが苦しくなるくらい、あたたかい気持ちになったり辛い気持ちになったりして、とても素敵な作品だなと思いました。この作品に参加できてお届けできることが今はすごくうれしいですし、台本を読んで、そしてこうして宅間さんとお会いして、楽しみの方が強くなりました。

――台本を読まれたということですが、魔法使いのマリーという役についてはいかがですか?

飯豊:お稽古がまだなので自分の想像だけですが、とても気に入っていますし好きです。マリーがいたら良いなと思いました(笑)。

――どうやって演じようといったプランはありますか?

飯豊:お稽古で宅間さんがイメージするマリーに近づけたらいいなと思っています。自分が考えたものよりも合わせていけたらいいなと思っています。まだ、自分でもどんな風になるんだろうという感じです。

拡大飯豊まりえ=宮川舞子 撮影

――宅間さんの印象はどうですか?

宅間:そんなね~、本人を前に悪いこと言えないですよね。

飯豊:笑顔の時と笑顔じゃない時のギャップがあります。

宅間:えっ、怖そう?

飯豊:いえ、そうではなくて、(タクフェスの)ホームページに『あいあい傘』の紹介VTRが載っているんですけど、それを見た時にこんなに楽しい表情をされるんだと思ったんです。真面目な写真を拝見していたのでギャップがありました。

宅間:ああ、このおじさんバカなんだって!?

(一同笑)

飯豊:思ってないですよ! そんな風に人のことを思わないですよ。笑顔がとても柔らかい方だなと思ってお会いするのが楽しみでした。

◆公演情報◆
タクフェス第7弾『流れ星』
新潟:2019年10月12日(土) りゅーとぴあ・劇場
栃木:2019年10月17日(木) 足利市民プラザ・文化ホール
仙台:2019年10月26日(土) 電力ホール
札幌:2019年11月3日(日・祝)~4日(月・祝) 道新ホール
福岡:2019年11月9日(土) ももちパレス 大ホール
東京:2019年11月13日(水)~11月24日(日)  サンシャイン劇場
名古屋:2019年11月28日(木)~12月1日(日) ウインクあいち
大阪:2019年12月4日(水)~12月8日(日) 梅田芸術劇場 シアター・ドラマシティ
公式ホームページ

[スタッフ]
作・演出:宅間孝行
[出演]
田中美佐子、飯豊まりえ/柳美稀、富田 翔、冨森ジャスティン/川村エミコ(たんぽぽ) 近藤くみこ(ニッチェ)/ 松村 優 越村友一 遠藤瑠美子 若林元太/ダンカン/宅間孝行 ほか

〈飯豊まりえプロフィル〉
2012年に女優デビュー後、数多くのドラマ・映画に出演。テレビ朝日木曜ドラマ『サイン―法医学者 柚木貴志の事件―』に出演。9月には映画『いなくなれ、群青』、『惡の華』、2020年1月には主演映画『シライサン』の公開も控えている。毎週土曜朝には情報バラエティ番組「にじいろジーン」 (関西テレビ系)にレギュラー出演中。また、雑誌「Oggi」「MORE」でモデルとしても活躍中。
公式twitter
公式instagram

〈宅間孝行プロフィル〉
東京都出身。タクフェス主宰。俳優・脚本家・演出家。1997年、劇団「東京セレソン」を旗揚げ。2001年「東京セレソンデラックス」と改名するのを機に、主宰・作・演出・主演として活動。2012年12月に劇団を解散。2013年、「タクフェス」を立ち上げる。役者としてドラマや映画に多数出演する一方、脚本・演出家としても活動。主な脚本作品には『花より男子』シリーズ(05/07/08/TBS)、『スマイル』(09/TBS)などの脚本を手掛ける。また、劇団作品の映像化としては、ドラマ『歌姫』(07/TBS)、映画『くちづけ』など。2008年『同窓会』では初監督・脚本・主演を務め、映画『全員、片想い』内の短編『サムシングブルー』(16)、『あいあい傘』(18)、『LOVEHOTELに於ける情事とPLANの涯て』(19)では監督・脚本を務めた。
公式twitter

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筆者

真名子陽子

真名子陽子(まなご・ようこ) ライター、エディター

大阪生まれ。ファッションデザインの専門学校を卒業後、デザイナーやファッションショーの制作などを経て、好奇心の赴くままに職歴を重ね、現在の仕事に落ち着く。レシピ本や観光情報誌、学校案内パンフレットなどの編集に携わる一方、再びめぐりあった舞台のおもしろさを広く伝えるべく、文化・エンタメジャンルのスターファイルで、役者インタビューなどを執筆している。

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