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瀬奈じゅんインタビュー/下

ミュージカル『ラ・マンチャの男』、その時の自分の状況や年齢によって感じ方が違う

真名子陽子 ライター、エディター


瀬奈じゅんインタビュー/上

構えずに素直に前情報なしで観たらいいんじゃないかな

拡大瀬奈じゅん=久保秀臣 撮影
 

――初演から50年を迎えますが、お稽古に入られてその重みは感じられますか?

 それを感じてしまうと怖くて出られなくなっちゃうので、なるべく感じないようにしています。長くこの作品に携わっている方も多く、皆さん優しい方ばかりでそういうプレッシャーのようなものを感じさせない空気があるんです。それが50年続いてきた秘訣なんじゃないかと思ったりします。新参者という感じがしないんです。最初から皆さんが温かくいろんなことを教えてくださって、そして良い意味でこだわりがないんです。それは、自分のこだわりよりも何よりもまず白鸚さんなんです。

――絶対的存在なんですね。

 そこが皆さん統一されているんです、ごく自然に。だからひとつの方向に向かってみんなでダッシュできるんですよね。みんなを自然とそうさせる白鸚さんはすごいです。本当に素晴らしい現場です。

――最初、劇中劇がある多重構造の物語で難しいなと感じたんですが……。

 私は難しいと思わなかったんです。

――すごい……。

 いえいえ、すごいことではなくて単純にこの作品を楽しんじゃったんですよね。何一つ情報も得ないまま、まっさらな状態で観に行ったんです。ドン・キホーテの話だろう!くらいな感じで(笑)。劇中劇ということも知らずに……もちろん作品は知っていましたが、恥ずかしながら内容は知らずに観に行きました。

――そうだったんですね。

 ありがちな劇中劇ではないから難しく感じるかもしれないし、セリフもドン・キホーテは騎士の言葉を使うから難しく感じるけれど、まずは構えずに素直に前情報もなく観て下さったらいいんじゃないかなと思います。だってチケット代を払って観るんだから楽しまなきゃ損ですよ!

――そうですね。観るときの状況によっても感じ方は変わってきますし。

 そうです。『レ・ミゼラブル』を初めて観たときは若かったからか、その良さはわからなかったのですが、10年後に観たときは涙が止まらなくて、なんて素晴らしい作品なんだろうって思ったんです。だからその時の自分の状況や年齢によっても感じ方が違うんだと思います。今、親になって『レ・ミゼラブル』を観たらファンテーヌの見方も変わるかもしれない。

――いろんな見方があっていい?

 そうですね。確かに、『ラ・マンチャの男』はメッセージ性の強い作品で、人生に影響を与える作品だとは思うけれども、影響されに行こうと思って構えるのはちょっと違うかもしれないかな。もちろん構えて観てもいいと思うんだけれど、何も考えずに観ていいと思います。

◆公演情報◆
ミュージカル『ラ・マンチャの男』
大阪:2019年9月7日(土)~9月12日(木) フェスティバルホール
宮城:2019年9月21日(土)~9月23日(月) 東京エレクトロンホール宮城
愛知:2019年9月27日(金)~9月29日(日) 愛知県芸術劇場大ホール
東京:2019年10月4日(金)~10月27日(日) 帝国劇場
公式ホームページ
★大阪・中之島フェスティバルタワーにて『ラ・マンチャの男』パネル展実施中!(9月12日まで)。詳しくはこちら
[スタッフ]
演出:松本白鸚
脚本:デール・ワッサーマン
作詞:ジョオ・ダリオン
音楽:ミッチ・リー
訳:森 岩雄、高田蓉子
訳詞:福井 崚
振付・演出:エディ・ロール(日本初演)
[出演]
松本白鸚、瀬奈じゅん、駒田 一、松原凜子、石鍋多加史、荒井洸子、祖父江進、大塚雅夫、白木美貴子、宮川 浩、上條恒彦 ほか

〈瀬奈じゅんプロフィル〉
 1992年宝塚歌劇団入団。2005年『JAZZYな妖精たち/REVUE OF DREAMS』で月組トップスターに就任。2009年『ラスト プレイ/Heat on Beat!』で宝塚歌劇団を退団。退団後は、舞台を中心に映像作品にも活躍の場を広げる。最近の主な舞台出演作品は、『細雪』『サムシング・ロッテン!』『シティ・オブ・エンジェルズ』『FUN HOME ファン・ホーム ある家族の悲喜劇』など。2012年に菊田一夫演劇賞 演劇賞、岩谷時子賞 奨励賞をW受賞。2020年にミュージカル『ヘアスプレー』への出演が決まっている。
瀬奈じゅん公式ホームページ

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筆者

真名子陽子

真名子陽子(まなご・ようこ) ライター、エディター

大阪生まれ。ファッションデザインの専門学校を卒業後、デザイナーやファッションショーの制作などを経て、好奇心の赴くままに職歴を重ね、現在の仕事に落ち着く。レシピ本や観光情報誌、学校案内パンフレットなどの編集に携わる一方、再びめぐりあった舞台のおもしろさを広く伝えるべく、文化・エンタメジャンルのスターファイルで、役者インタビューなどを執筆している。

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