メインメニューをとばして、このページの本文エリアへ

news letter
RSS

「不良」だったGS、「夢」を追ったジャニーズ

太田省一 社会学者

沢田研二・萩原健一・堺正章、GSから生まれた“アイドル”

 だが、GSが芸能界に残したものは大きかった。日本のバンド音楽のありかたは、音楽性とエンタメ性が融合した後の「イカ天ブーム」などを見てもGSが方向性を決めた部分は小さくないだろうし、レコード会社専属の既存の作詞・作曲家ではないフリーの作詞・作曲家の台頭(阿久悠の作詞家デビューは、ザ・スパイダースの「フリフリ」のB面の曲だった)という新しい音楽業界の流れのきっかけを作った点でもGSは重要な役割を果たした。

 そして、GS出身者からアイドル的な存在も生まれた。代表を挙げるとすれば、ザ・タイガースの沢田研二、ザ・テンプターズの萩原健一、ザ・スパイダースの堺正章がそうだろう。

 改めていうまでもないが、沢田はソロ歌手、萩原は俳優、そして堺はコメディアンとして再出発し、それぞれ一世を風靡した。そして分野も芸風も異なるとは言え、そこにはやはり先述したようなGS的不良性が感じられる。

萩原健一拡大ドラマ『太陽にほえろ!』の刑事役などで人気を集めた萩原健一=1973年
 3人のなかで、不良性が最もわかりやすく出ていたのはショーケンこと萩原健一だろう。とりわけ『傷だらけの天使』(日本テレビ系、1974年放送開始)では、その不良的なかっこよさは際立っていた。その前の『太陽にほえろ!』(日本テレビ系、1972年放送開始)のマカロニ刑事役も含め、萩原は大人に反発し、破天荒だが純粋さを併せ持つ役柄で若者世代から熱烈に支持された。

 その点、沢田研二や堺正章には不良性はそれほどあるように思われないかもしれない。しかし、

・・・ログインして読む
(残り:約1595文字/本文:約3343文字)

全ジャンルパックなら本の記事が読み放題。


筆者

太田省一

太田省一(おおた・しょういち) 社会学者

1960年、富山県生まれ。東京大学大学院社会学研究科博士課程単位取得満期退学。テレビ、アイドル、歌謡曲、お笑いなどメディア、ポピュラー文化の諸分野をテーマにしながら、戦後日本社会とメディアの関係に新たな光を当てるべく執筆活動を行っている。著書に『紅白歌合戦と日本人』、『アイドル進化論――南沙織から初音ミク、AKB48まで』(いずれも筑摩書房)、『社会は笑う・増補版――ボケとツッコミの人間関係』、『中居正広という生き方』(いずれも青弓社)、『SMAPと平成ニッポン――不安の時代のエンターテインメント 』(光文社新書)、『ジャニーズの正体――エンターテインメントの戦後史』(双葉社)など。最新刊に『ニッポン男性アイドル史――一九六〇-二〇一〇年代』(近刊、青弓社)

※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです

太田省一の記事

もっと見る