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『リッツ・ホテルくらいに大きなダイヤモンド』評

コメディ?ミステリー? バウ初主演の宙組・瑠風輝がさわやかな歌声を響かせる

さかせがわ猫丸 フリーライター


拡大『リッツ・ホテルくらいに大きなダイヤモンド』公演から、ジョン役の瑠風輝=岸隆子 撮影

 宙組バウ・ロマンス『リッツ・ホテルくらいに大きなダイヤモンド』が、宝塚バウホールで上演中です。

 宝塚でもおなじみの名作『華麗なるギャツビー』の著者F・スコット・フィッツジェラルドの短編小説を題材にした、ちょっと異色な作品です。「富」をテーマにした壮大な夢物語で、コメディのような、SFのような、ミステリーのような……? とても不思議な世界感に、いつの間にか心を奪われてしまう。

 挑戦するのはバウ初主演となる98期生の瑠風輝さん。スマートなスタイルにクラシカルな男役らしさが魅力の、宙組期待の若手スターです。定評のある歌唱力でさわやかな歌声もたっぷり披露し、安定した実力で初主演を堂々と飾りました。(以下、ネタバレがあります)

瑠風が学内一の人気者になる

拡大『リッツ・ホテルくらいに大きなダイヤモンド』公演から、ジョン役の瑠風輝(中央)=岸隆子 撮影
 
 ――アメリカの大学に通うジョン・T・アンガー(瑠風)は、学内一の人気者だ。恒例の学生公演も大成功させた彼に、この公演の出資者パーシー・グレイブス(鷹翔千空)も強く憧れていた。終演後、この国では資本がないと何もできないと語るジョンに、それならば自分の故郷でお金の価値についてゆっくり語り合わないかと誘うパーシー。こうして2人は、夏の休暇をパーシーの実家で過ごすこととなった。

 幕開きは、アメリカの学生らしいショーで始まりました。若さ弾けるフレッシュなショーの真ん中に飛び出すのは、もちろん瑠風さん。新人公演の主演も4回つとめただけあって、真ん中としての安定感も抜群です。貴公子が似合う正統派男役のイメージを持っていますが、大劇場公演『オーシャンズ11』では、陽気なリヴィングストン役で幅広い演技も見せました。

 明るくて魅力的なジョンは学内一の人気者ですが、長い手足を活かして踊り、のびやかな歌声を響かせる活躍で、その設定にも文句なし。穏やかで優しい瑠風さんの素顔も活かされ、誰もが好きになってしまうのも納得でしょう。

 ジョンは、学生公演に出資したパーシーにとても感謝していて、公演の成功は彼の寄付があったからだと確信しています。もちろん彼の実家への招待も喜んで受けました。

◆公演情報◆
バウ・ロマンス『リッツ・ホテルくらいに大きなダイヤモンド』
-F・スコット・フィッツジェラルド作「The Diamond as Big as the Ritz」より-
2019年9月5日(木)~9月16日(月) 宝塚バウホール
公式ホームページ
[スタッフ]
脚本・演出/木村 信司

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筆者

さかせがわ猫丸

さかせがわ猫丸(さかせがわ・ねこまる) フリーライター

大阪府出身、兵庫県在住。全国紙の広告局に勤めた後、出産を機に退社。フリーランスとなり、ラジオ番組台本や、芸能・教育関係の新聞広告記事を担当。2009年4月からアサヒ・コム(朝日新聞デジタル)に「猫丸」名で宝塚歌劇の記事を執筆。ペンネームは、猫をこよなく愛することから。

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