真名子陽子(まなご・ようこ) ライター、エディター
大阪生まれ。ファッションデザインの専門学校を卒業後、デザイナーやファッションショーの制作などを経て、好奇心の赴くままに職歴を重ね、現在の仕事に落ち着く。レシピ本や観光情報誌、学校案内パンフレットなどの編集に携わる一方、再びめぐりあった舞台のおもしろさを広く伝えるべく、文化・エンタメジャンルのスターファイルで、役者インタビューなどを執筆している。
※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです
『FACTORY GIRLS ~私が描く物語~』、素晴らしい楽曲ばかり
キャストは、女性の権利を求めて労働争議を率いた実在の女性サラ・バグリー役を元宝塚歌劇団星組トップスターの柚希礼音さんが、サラとぶつかり合いながらも固い友情を結ぶハリエット・ファーリー役をソニンさんが演じます。そして、実咲凜音さん、清水くるみさん、石田ニコルさん、青野紗穂さん、谷口ゆうなさん、能條愛未さん、そして剣幸さんと個性豊かな女優陣が出演します。
サラ役の柚希さんにお話を伺い、サラという人物の考察、トップ時代に経験したことを踏まえたリーダー像や自由について、また休日の過ごし方、そして20周年の今年に挑戦した作品について語ってくれました。
本当に素晴らしい楽曲ばかりですし、いつ以来こんなに多いだろうというくらいの曲数です。楽曲がロックなので、音の取り方が本当に難しい!! 『ロミオとジュリエット』を観たときはすごくかっこいい曲と思ったのに、譜面を見たときに恐れおののいたのと同じぐらいの難しさです(笑)。
――(笑)。それはリズムの難しさ?
そうです。普通にリズムを刻んでいくのではなく、いろんなリズムがたくさんあるんです、1曲の中に。それらのリズムを取るところからやりました。でもそういう曲はハマったら最高なんですよね。難しい曲ほどそうなんですけど、それはロミジュリのときに実感したんです。歌えるようになるまで苦労したのに、そのリズムが体に入るとそれ以外歌えないっていうぐらい最高なんです。今はまだそこまでいっていないので、早くそうなりたいと思いながら……果てしなく難しいです。
これまでは文章の力で周りの人たちを巻き込んで、理不尽なことを変えていこうとした人と捉えていたんです。でも、農家で生まれて家の借金を返すために都会に出て、工場で働いて家に仕送りをしている――サラという人物はそこから始まるので、文章が書けるから文章で闘おうと思ったわけではないんだということが台本を読んでわかりました。
――工場で働き始めたことがすべての始まりなんですね。
のどかな所で育った大ざっぱな人が夢を持って都会の工場で働いてみたら最悪な労働環境で、「なぜ、みんな黙ってるの?」という疑問がわくんですよね。でも、そこで働いている女性たちは「そんな事を言っていいの?」と言い、男性たちは「俺たちも我慢しているから女も我慢しろ」と言います。その状況にはすごく理解できました。
◆公演情報◆
A New Musical『FACTORY GIRLS ~私が描く物語~』
東京:2019年9月25日(水)~10月9日(水) TBS赤坂ACTシアター
大阪:2019年10月25日(金)~10月27日(日) 梅田芸術劇場メインホール
オフィシャルサイト
オフィシャルツイッター
[スタッフ]
音楽/作詞:クレイトン・アイロンズ&ショーン・マホニー
日本語版脚本・演出:板垣恭一
[出演]
柚希礼音 ソニン 実咲凜音 清水くる み 石田ニコル/
原田優一 平野 良 猪塚健太 青野紗穂 谷口ゆうな 能條愛未 戸井勝海 剣 幸 ほか
〈柚希礼音プロフィル〉
1999年、宝塚歌劇団に入団。2009年星組トップスターに就任。主な主演舞台に、『ロミオとジュリエット』『オーシャンズ11』『眠らない男・ナポレオンー愛と栄光の涯にー』など。2015年に退団以降も舞台を中心に活躍。主な出演作品は、『LEMONADE』『唐版 風の又三郎』、地球ゴージャスプロデュース公演Vol.15 『ZEROTOPIA』、『マタ・ハリ』、『ビリー・エリオット~リトル・ダンサー~』など。2020年3月~4月にミュージカル『ボディガード』日本キャスト版への出演が決まっている。
★柚希礼音オフィシャルinstagram:
★柚希礼音オフィシャルHP:
論座ではこんな記事も人気です。もう読みましたか?