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大学の英語入試、さらに「異議あり」

問題非公開の民間試験、透明性に疑問

刀祢館正明 朝日新聞記者

もし入試に出題ミスがあったら

英語入試異議あり拡大入試問題にミスがあったことを認め、謝罪する京都大学(左)と大阪大学の記者会見=2018年

 新しい大学入試での英語民間試験の導入は問題が多すぎる。あまりに多すぎて、一つひとつ扱っていると、かえってわからなくなってしまいそうだ。ここではざっくりと、私たちが掲げる社会の価値観から、いやいや、そんな硬い表現ではなく、「当然だよね」と思っているところから考えてみたい。

 前回は公平性の観点から疑問を提示した。今回は公開性、透明性の観点から。

 覚えている方も多いと思うが、一昨年、大阪大学と京都大学の入試で相次いで出題ミスがあった。両大学はミスを認め、追加合格者を出し、新聞やテレビは大きく報道した。入試における出題ミスの重さ、責任の大きさ、事後の対応の大事さをあらためて知る出来事だった。

 なぜ出題ミスがあったとわかったのか。

 それは、阪大と京大が実際に出題した入試問題をすぐに公開していたからだ。そのため高校や予備校の先生たちが公開された問題を検証することができ、ミスを見つけ、大学側に指摘したからだ。もし大学が問題を公開していなかったら、ミスは見つけられないままで、本当は合格していた受験生が落ちたままだったかもしれない。

 問題が公開され、社会の目にさらされることで保証される、試験の透明性。英語の新入試では、そこに疑問がある。

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筆者

刀祢館正明

刀祢館正明(とねだち・まさあき) 朝日新聞記者

関西生まれの関東育ち。1982年朝日新聞入社。整理部記者、朝日ジャーナル記者、アエラ記者、学芸部(現・文化くらし報道部)の記者と次長、ロンドン・スクール・オブ・エコノミクス(LSE)客員研究員、早稲田大学非常勤講師、オピニオン編集部編集委員などを経て、現在は夕刊企画班のシニアスタッフ。2013年秋から2019年春まで夕刊で「英語をたどって」を連載した。担当した記事が本になったものに『塩の道を行く』『奔流中国』『3.11後 ニッポンの論点』など。英語は嫌いではないが得意でもない。

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