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「あいち」補助金不交付は、なぜ危険なのか

国家による異論の排除、その先にあるのは

高山明 演出家

小さな声こそ、公的に支えるドイツ

 税金を使うなら多数派の気に入るように。そう考えられがちな日本とは反対に、ドイツでは、多数派とは異なる意見を発表することや、小さな声を尊重するために公金を使うべきだという考え方が、社会で共有されています。

 ドイツは、検閲や弾圧によって徹底的に異論を排除したナチスの独裁がどんな結果を引き起こしたか、歴史から学びました。あの悲劇を二度と繰り返さないために、戦後は、異論を尊重する社会を作ろうとしてきました。

 少数派の、たとえそれが多数派にとって愉快でないものであっても、様々な考えや表現を発表する自由を公的なお金で支えることによって、社会の健全さを保とうと考えてきたのです。その方が社会という「身体」にとってよい。だから公金を使えるわけです。

 同じころ、日本も軍部独裁下にあったことを、僕らは忘れてはならないと思います。人々は、政治的な思想はもちろん、日常の身ぶりや言葉までコントロールされた。社会が一つの考え方に流れてゆくと、それは独裁を生み、ファシズムになる。そして一挙に解体するのが全体主義国家の常です。みんなが不幸になる。やはり、多数派とは違う声を上げることは重要ではないでしょうか。

「あいち」補助金不交付拡大難民申請をするクルド人の視点で東京を見つめる企画『新・東京修学旅行プロジェクト:クルド編』の準備のため、食料品店を訪れた高山明さん(右)=2018年、埼玉県川口市

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筆者

高山明

高山明(たかやま・あきら) 演出家

1969年生まれ。ドイツでの演劇活動の後、帰国して、2002年、演劇ユニットPort B(ポルト・ビー)を結成。現実の都市を使ったインスタレーション、ツアーパフォーマンスなどを世界各地で展開している。美術、観光、文学、建築などともコラボレーションしながら、演劇的発想や考え方を社会と結びつけ、新しい可能性を切り開く活動に取り組む。

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