青木るえか(あおき・るえか) エッセイスト
1962年、東京生まれ東京育ち。エッセイスト。女子美術大学卒業。25歳から2年に1回引っ越しをする人生となる。現在は福岡在住。広島で出会ったホルモン天ぷらに耽溺中。とくに血肝のファン。著書に『定年がやってくる――妻の本音と夫の心得』(ちくま新書)、『主婦でスミマセン』(角川文庫)、『猫の品格』(文春新書)、『OSKを見にいけ!』(青弓社)など。
それで『なつぞら』。朝ドラ100作目ということでNHKも気合いが入ったというふれ込み。キャストも豪華。いや私は広瀬すずが豪華とは思わないけど草刈正雄は豪華だ。そして北海道の牧場の、戦後すぐのボロボロな感じを再現してるのがとても豪華。
『まんぷく』みたいに、うまいものがどうとかこうとか言わないのに、出てくる食べ物がことごとくうまそうなのも豪華だった。アイスクリームとかバターとか。朝からとろけそう。
それなのに、風情というか文学性というか、そういうものをほぼ感じさせないドラマなのが1周回って新しかった。だって最近のNHKのドラマはマニアックな“風情”を見せるのが売りみたいなとこがあると思っている。『いだてん』なんかそれですよ。
そういう風情を排して、直球でテレビドラマをつくる!というやる気のようなものを感じたのだ、『なつぞら』には。朝ドラ100作目で力が入るというのは、そういうことなんだと思っていた。子どもの頃、毎週日曜日にワクワクして大河ドラマを見たような、ああいう正攻法の連続ドラマの良さ、みたいなものがありそうだ、と……。
ありませんでした。途中でなんかガラッと変わってしまった。
『まんぷく』も途中で変わったけど
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