メインメニューをとばして、このページの本文エリアへ

news letter
RSS

木下晴香インタビュー/上

ミュージカル『ファントム』、素敵なエリックの心を動かせるクリスティーヌを

真名子陽子 ライター、エディター


 ミュージカル『ファントム』が、11月~12月に東京と大阪で上演されます。『ファントム』は、フランスの小説家ガストン・ルルーにより発表され、1911年にベストセラーになった小説「オペラ座の怪人」を原作とし、怪人ファントムの人間像に焦点をあてたストーリーと独創的な楽曲で観客を魅了、世界中で親しまれている作品です。今回は、2014年に引き続きファントム役を演じる城田優さんが演出も手掛けます。そして、ファントム役をWキャストで演じる加藤和樹さん、クリスティーヌ・ダーエ役に愛希れいかさん、木下晴香さん(Wキャスト)、フィリップ・シャンドン伯爵役に廣瀬友祐さん、木村達成さん(Wキャスト)、カルロッタ役にエリアンナさん、ゲラール・キャリエール役に岡田浩暉さんといった個性豊かなキャストが揃いました。

 クリスティーヌ役の木下晴香さんにお話を伺い、オーディションでの逸話や作品や役、共演者について、そして二十歳になって変化したことなどを語っていただきました。

知らない自分がまた見つかるんじゃないかな

拡大木下晴香=久保秀臣 撮影
――『ファントム』への出演が決まった時の気持ちを聞かせてください。

 オーディションのときに、演出の城田さんがもう少しこういうふうに歌って欲しいといったリクエストを出してくださったんです。そういうことをオーディションで言われたのは初めてでしたので、そんな経験をさせていただいたこの作品に関わりたいという思いが強くなりました。そんな中で結果を待っていましたから、決まったときはやはりうれしかったですし、また自分を高めることができる作品になるだろうなと、奮い立つ気持ちが出てきました。

――具体的にどんなリクエストがあったのですか?

 例えば、最初は不安そうなんだけれど少しずつ花が開いて最後は開花する、といったような流れを作って歌ってくださいとか……はじめはどうしようと思ったのですが、怖がらずに感情を出して欲しいと言ってくださって、とても楽しめたオーディションでもありました。

――そういったリクエストにはすぐ応えられるものなんですか?

 やはり最初は戸惑いました。不安そうという表現が中途半端になってしまって、うまく挑戦できなかったんですね。自分の中にある不安という表現が、城田さんにとってはまだまだ足りなかったようで、何も言葉が出てこないぐらいの不安さから始めていいんだよとおっしゃってくださいました。表現って自分で考えられるものしか出せないじゃないですか。でも、その考えさえも城田さんは広げてくださったので、知らない自分がまた見つかるんじゃないかなと楽しみにしています。

母性があるねと言われたことがある

拡大木下晴香=久保秀臣 撮影
 
――作品にはどんな印象を持っていますか?

 ファントム=エリックに焦点を当てた作品ですので、エリックの素直さをすごく感じましたし、こんなに少年らしい可愛らしい人なんだという印象を強く受けました。そんなファントムさえも動かしてしまう歌声と心の持ち主がクリスティーヌ・ダーエだと思いますので、素敵なエリックの心を動かせるようなクリスティーヌを作り上げたいと思います。

◆公演情報◆
ミュージカル『ファントム』
東京:11月9日(土)~12月1日(日) TBS赤坂ACTシアター
大阪:12月7日(土)~12月16日(月) 梅田芸術劇場メインホール
★東京 11月25日(月)18:15追加公演決定!
【Wキャスト出演者】
ファントム役:城田 優、クリスティーヌ役:木下晴香、シャンドン伯爵役:木村達成
【一般発売日】2019/10/26(土)10:00AM~
販売窓口、先行販売情報は公式ホームページへ!
[スタッフ]
原作:ガストン・ルルー
脚本:アーサー・コピット
作詞・作曲:モーリー・イェストン
演出:城田 優
[出演]
加藤和樹/城田 優(Wキャスト)、愛希れいか/木下晴香(Wキャスト)
廣瀬友祐/木村達成(Wキャスト)、エリアンナ、エハラマサヒロ、佐藤 玲、神尾 佑、岡田浩暉 ほか

〈木下晴香プロフィル〉
 2017年にオーディションでジュリエット役を射止め『ロミオ&ジュリエット』に出演。以降、ミュージカルを中心に活躍。主な出演作品は、『モーツァルト!』、Super神話音楽劇 第2回東京公演『ドラマティック古事記』、『ロミオ&ジュリエット』(‘19再演)、『銀河鉄道999 さよならメーテル~僕の永遠』など。また、ディズニー実写映画『アラジン』では、ヒロインのジャスミン役の吹き替えと歌唱を担当。2020年に3、4月に、ミュージカル『アナスタシア』で初の主演(Wキャスト:葵わかな)が決まっている。
公式ホームページ
公式twitter

・・・ログインして読む
(残り:約1587文字/本文:約3527文字)


筆者

真名子陽子

真名子陽子(まなご・ようこ) ライター、エディター

大阪生まれ。ファッションデザインの専門学校を卒業後、デザイナーやファッションショーの制作などを経て、好奇心の赴くままに職歴を重ね、現在の仕事に落ち着く。レシピ本や観光情報誌、学校案内パンフレットなどの編集に携わる一方、再びめぐりあった舞台のおもしろさを広く伝えるべく、文化・エンタメジャンルのスターファイルで、役者インタビューなどを執筆している。

※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです

真名子陽子の記事

もっと見る