勝部元気(かつべ・げんき) コラムニスト・社会起業家
1983年、東京都生まれ。民間企業の経営企画部門や経理財務部門等で部門トップを歴任した後に現職。現代の新しい社会問題を「言語化」することを得意とし、ジェンダー、働き方、少子非婚化、教育、ネット心理等の分野を主に扱う。著書に『恋愛氷河期』(扶桑社)。株式会社リプロエージェント代表取締役、市民団体パリテコミュニティーズ代表理事。所有する資格数は71個。公式サイトはこちら
本物の良心的リーダーへの脱皮を期待したい
また、戦争や紛争が起こるのは、当然ながら経済格差や搾取が原因であることが少なくありません。
近年、世界の至るところでテロリズムや移民排斥等のヘイトクライムが出現しています。それらも資本主義の歪みがもたらした経済格差や搾取が遠因の一つであり、一部の富裕層に富が集中する傾向が続く中で、今後さらにそのような暴力が増えていくことが予想されます。ですから、「NO WAR」と叫ぶのであれば、同時に「NO EXPLOITATION(搾取)」と叫ばなければなりません。
ところが、前澤氏からは明確な「NO EXPLOITATION」の意思表示は見えません。それどころか、メディアで取り上げられる際には、そうした活動に取り組む人々とビジョンを練るのではなく、むしろ富の一極集中を招いている資本家仲間と仲良くしている姿のほうが頻繁に目に入ります。
確かに前澤氏は、「日本はもっと労働者ファーストの資本主義に変わっていくべき」「日本の最低賃金は諸外国に比べ安すぎ」とTwitter(2019年8月9日)で述べたことがあります。彼は一般的な資本家に比べるとおそらく何倍も良識ある人物なのかもしれませんが、映し出される現実の姿を見ていると、どうも「ポエム止まり」のように映ってしまうわけです。
さらに、前澤氏が格差縮小を自ら明確に推進しているわけではないと感じたこともありました。それは
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