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なぜイーストウッドやレオーネへの言及を避けたのか

 ところで、『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』の物語には、二つの焦点がある。いうまでもなく、その一つは、1969年8月9日に“マンソン・ファミリー”が引き起こした惨劇(の改変)である。もう一つは、リックが新たなキャリアを築くために出演する、1960~70年代にかけて隆盛したイタリア製西部劇/マカロニ・ウェスタンという、新たな低予算ジャンルへの映画史的参照だ(その時代は、1930~50年代が最盛期だった古典的西部劇の衰退期であり、また1950~60年代中葉までが最盛期だったTV西部劇の衰退期でもあった)。

『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』拡大『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』

 ここで触れておきたいのは、この

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筆者

藤崎康

藤崎康(ふじさき・こう) 映画評論家、文芸評論家、慶応義塾大学、学習院大学講師

東京都生まれ。映画評論家、文芸評論家。1983年、慶応義塾大学フランス文学科大学院博士課程修了。著書に『戦争の映画史――恐怖と快楽のフィルム学』(朝日選書)など。現在『クロード・シャブロル論』(仮題)を準備中。熱狂的なスロージョガ―、かつ草テニスプレーヤー。わが人生のべスト3(順不同)は邦画が、山中貞雄『丹下左膳余話 百万両の壺』、江崎実生『逢いたくて逢いたくて』、黒沢清『叫』、洋画がジョン・フォード『長い灰色の線』、クロード・シャブロル『野獣死すべし』、シルベスター・スタローン『ランボー 最後の戦場』(いずれも順不同)

※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです

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