堀博美(ほり・ひろみ) きのこライター
1971年神戸生まれ。大学在学中よりきのこ研究会に所属、きのこをテーマとしたミニコミ誌やきのこグッズ作りに励む。著書に『きのこるキノコLOVE111』『ときめくきのこ図鑑』『ベニテングタケの話』(山と渓谷社)、『珍菌 まかふしぎなきのこたち』(光文社)など。10月15日に新刊『毒きのこに生まれてきたあたしのこと。』(天夢人)を刊行。
※プロフィールは、論座に執筆した当時のものです
「正しく恐れる」こと、それがきのこを愛する第一歩
食用きのこ、あるいは毒きのこ。多くの方の野生のきのこに対する認識はそんなところだと思います。
けれど、きのこはそれだけでは語り尽くせません。日本のきのこは、名前が付いているものだけで2000〜3000種あり、まだ分かっていないものも入れると、おそらく5000〜15000種はあるだろうとされています。その中には、食毒不明のものが圧倒的に多いです。毒はないけれども不味くて食べられないきのこもあります。なお、美味しくて猛毒のきのこもありますので、味で食毒の判断は基本的に出来ません。
先日、久しぶりに行きつけの森に行ってきました。書籍「毒きのこに生まれてきたあたしのこと。」(発行・天夢人)の執筆で、しばらくこの森に来ることが出来なかったので、ずっと行きたくてうずうずしておりました。
気象の影響か、例年よりきのこは少ないようでしたが、ひとつ目を引くきのこがありました。
全体的に淡い黄色をしていて、つばがあり、柄にはささくれがありました。ちょっと驚いたのは根元のつぼが淡いピンク色で、ぷっくり膨らんでいたのです。
そもそも私がきのこにはまったのは、ある毒きのこがきっかけでした。