メインメニューをとばして、このページの本文エリアへ

news letter
RSS

郷ひろみ、そして「新御三家」のアイドル史的意味

太田省一 社会学者

郷ひろみの“中性的な美しさ”

 デビュー曲「男の子女の子」も、そうした郷の「王子様」的ポジションを後押しするようなものだった。当時のレコーディングディレクターであった酒井政利は、郷の「男でもない女でもない中性的な美しさ」に惹かれた(酒井政利『アイドルの素顔――私が育てたスターたち』河出文庫、81頁)。その感覚を表現しようと考えたのが、「男の子女の子」である。

72年 男の子女の子(郷ひろみ)=ソニー・ミュージックレコーズ提供拡大1972年の郷ひろみデビューシングル「男の子女の子」=ソニー・ミュージックレコーズ提供

 酒井によれば、デビュー当時の郷ひろみは、「幾分ふっくらとした幼さの残る男の子ではあったが、目だけは決して子供のそれではなかった。ひと言で言えば、茫洋とした目、何を考えているのだろうかと思わせるような目……であった。そして無口で、愛想笑いなど一切しない少年であった」(同書、81頁)

 その魅力を酒井は“不気味さ”と表現している。それはおそらく、「郷ひろみ」という「王子様」的アイドルが、

・・・ログインして読む
(残り:約2371文字/本文:約4171文字)

全ジャンルパックなら本の記事が読み放題。


筆者

太田省一

太田省一(おおた・しょういち) 社会学者

1960年、富山県生まれ。東京大学大学院社会学研究科博士課程単位取得満期退学。テレビ、アイドル、歌謡曲、お笑いなどメディア、ポピュラー文化の諸分野をテーマにしながら、戦後日本社会とメディアの関係に新たな光を当てるべく執筆活動を行っている。著書に『紅白歌合戦と日本人』、『アイドル進化論――南沙織から初音ミク、AKB48まで』(いずれも筑摩書房)、『社会は笑う・増補版――ボケとツッコミの人間関係』、『中居正広という生き方』(いずれも青弓社)。最新刊は『SMAPと平成ニッポン――不安の時代のエンターテインメント 』(光文社新書)、『ジャニーズの正体――エンターテインメントの戦後史』(双葉社)。

太田省一の記事

もっと見る