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愛希れいか取材会レポート

ミュージカル『ファントム』、クリスティーヌ役に挑戦

真名子陽子 ライター、エディター


 ミュージカル『ファントム』が、11月~12月に東京と大阪で上演されます。2014年に引き続きファントム役を演じる城田優さんが演出も手掛ける『ファントム』は、フランスの小説家ガストン・ルルーにより発表され、1911年にベストセラーになった小説「オペラ座の怪人」を原作とし、怪人ファントムの人間像に焦点をあてたストーリーと独創的な楽曲で観客を魅了、世界中で親しまれています。

 クリスティーヌ役を演じる愛希れいかさんの取材会が大阪で行われました。元宝塚歌劇団月組トップ娘役で2018年に卒業後、初めて出演したミュージカル『エリザベート』では退団公演で演じたエリザベートを好演し、その存在感を示した愛希さん。クリスティーヌ役や作品のこと、『エリザベート』に出演して感じたことや宝塚時代のことなどを語ってくれました。

どう深みを出せるのか、考えていた

拡大愛希れいか=安田新之助 撮影

記者:『ファントム』への出演が決まった時の感想をお願いします。

愛希:びっくりしたというのが一番です。宝塚で何度か上演された『ファントム』を実際に観劇していましたので、クリスティーヌ役は娘役らしいとても可憐で 少女性があるので、卒業後にこの役を演じさせていただけることに驚きました。そして、とても歌が重要な役です。宝塚在団中もここまで高いキーの歌を歌ったことはなかったので、私にとってまた新たな挑戦になると思いました。

記者:作品の印象やクリスティーヌ役についていかがでしょうか?

愛希:ファントムの人間的な部分が描かれていて、家族愛やエリックと父親とのシーンは心にグッとくるものがあります。ファントムをよりドラマティックに描くためにクリスティーヌがいるようにも感じますので、どう演じるかによって作品の見え方も変わってくると思いますし、そういったところではとても難しい役だなと感じています。クリスティーヌをどのように演じようかというより、どう深みを出せるのか……出演が決まった時から考えています。

記者:クリスティーヌはどんな女性だと思いますか?

愛希:信じる力や意志を貫く思いの強い、芯のある女性だなと感じます。また、自分がこの年齢で演じるにあたって、母性をファントムに感じていただけるようなクリスティーヌを演じられたらなと思います。

宝塚を夢見ていた自分とリンクする

記者:名曲がたくさんありますが、どんな準備をされていますか?

愛希:在団中も歌には力を入れていましたが、 卒業してからもボイストレーニングをしたり、いろんな方の動画を見ながら勉強しています。キーがとても高いのでがんばらなきゃいけないなと思いながら、今は原曲を聞いて練習しています。

記者:心情の表現なども必要ですね。

愛希:そうですね。田舎から都会に出て舞台に立ちたいという思いは、私自身が宝塚を夢見ていた時とリンクします。そういったところは共感できと思いますので活かしていきたいですね。

記者:制作発表で実際に歌われて何か感じたことはありますか?

愛希:やはり難しかったですね。モーリー・イェストンさんの音楽性が素晴らしいですし、城田さんはお芝居を大切に歌って欲しいとおっしゃっていました。言葉を伝えようとし過ぎると曲の素晴らしさが伝わらないですし、そのバランスがとても大切だなと感じます。ファントムを包み込むような歌声になるよう、本番までにしっかりと取り組みたいなと思っています。

言葉にしてやりたいとは言えなかった

拡大愛希れいか=安田新之助 撮影

記者:相手役もダブルキャストです。印象を教えてください。

愛希:『エリザベート』で初めてダブルキャストを経験したのですが、やはり相手によって受け取る感情は違いますのでとても楽しみです。城田さんは前回も演じられていますし演出もされるので、この作品に対する思いや愛情はすごく強いと思います。城田さんが発せられるエネルギーを感じて、私もクリスティーヌとして生きたいなと思います。加藤さんはとても優しくておおらかな方です。私の印象としては男らしいイメージを持っていたので、その加藤さんが作り上げられるファントムはどういうものになるのかとても楽しみです。

記者:昨年、雪組の『ファントム』を観たそうですが、どんな感想を持たれましたか?

愛希:望海風斗さんと真彩希帆さんが大好きな作品というのは知っていましたので、お二人の役に対する思いを感じてすごいなと思いました。あまりにも感動して、望海さんとお話しさせていただいたことを覚えていますし、歌が素晴らしいお二人の『ファントム』が観られて幸せでした。

記者:在団中に『ファントム』に出演したいという思いはなかったのでしょうか?

愛希:タカラヅカスペシャルというイベントで 「Home」をデュエットさせていただいたことはあったのですが、今まで演じていた役柄などから、自分が演じる役ではないと思っていました。作品はとても好きですしクリスティーヌ役に憧れはありましたが、歌は得意ではなかったので、言葉にしてやりたいとは言えなかったですね。

もっともっと自由に表現していかなきゃ

記者:退団されて初めての舞台『エリザベート』に出演されて感じたことはありますか?

愛希:やはり最初はすごく緊張しましたが、いろんな舞台や映像を経験している方とご一緒させていただくことで、私ももっともっと自由に表現していかなきゃいけないなと思いました。お稽古中ももっと自由でいいし、宝塚っぽくしなくていいと言われていました。でも、その宝塚っぽいということが何なのか分からなかったんです。それは卒業したタカラジェンヌ誰もが経験することだと、そこを越えたところに自由に表現できる何かがあるよと言っていただいて、悩みながらも役と向き合っていました。今も正解はわからないけれど、もっと自分を出していけたらいいなと思っています。

記者:花總まりさんとダブルキャストでした。

愛希:とてもチャーミングな方ですし、ご一緒して本当に勉強になりました。何度も演じられていますが、それでもここはどうしたらいいんだろうと常に追求されていて、いろんな方向から、役やシーン、歌や発声法について研究されていらっしゃいました。これがダメならこうしようと常に進化されていて、お稽古場でとなりにいさせてもらっていましたが、本当にストイックな方だなと感じましたし、前進し続けているお姿にすごく感銘を受けました。エリザベートという役はとても難しく、追求してもわからないミステリアスな部分がある人物ですが、そんな発見もあるんだという驚きを隠せなかったです。すべてにおいて尊敬していましたが、さらにその思いが強くなりました。

宝塚は舞台を好きと思わせてくれていた場所

拡大愛希れいか=安田新之助 撮影

記者:大作への出演が続きますが、今後のビジョンはありますか?

愛希:舞台に立つことがすごく好きなんだということを、東宝の『エリザベート』の初日を迎えた時に改めて感じました。舞台はこれからも続けていきたいなと思いますし、ミュージカルだけでなくお芝居や映像にも興味があります。機会があれば挑戦したいですし、今はあれもしたいこれもしたいといろんな夢が広がっています。ダンスの多い作品もやりたいですね。

記者:宝塚での経験は愛希さんにとってどんな意味があるでしょう?

愛希:今の自分があるのはすべて宝塚のおかげです。青春と言われる時期を宝塚で過ごせたのは一番の宝物ですし、小さな頃から宝塚だけを夢見てきましたので、退団してからのことを考えたことはありませんでした。人とのコミュニケーションの取り方や礼儀をきちんと学ばせてもらいましたし、舞台に対する真っ直ぐに取り組む姿勢も学びました。舞台を好きと思わせてくれていた場所で、ずっと夢を見させてもらっていたなと思います。夢を皆さんにお届けしなければいけない立場ですが、いつも夢を叶えてもらっていたなと思います。

――最後にメッセージをお願いします。

愛希:城田さんによる新しい『ファントム』が出来上がるのだろうととても楽しみです。クリスティーヌの純粋さ、音楽を愛する気持ちを大切に演じたいと思います。東京と大阪で公演がありますし、久しぶりに梅田芸術劇場メインホールに立てるのもすごくうれしいです。たくさんの方に観ていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

◆公演情報◆
ミュージカル『ファントム』
東京:11月9日(土)~12月1日(日) TBS赤坂ACTシアター
大阪:12月7日(土)~12月16日(月) 梅田芸術劇場メインホール
★東京 11月25日(月)18:15追加公演決定!
【Wキャスト出演者】
ファントム役:城田 優、クリスティーヌ役:木下晴香、シャンドン伯爵役:木村達成
【一般発売日】2019/10/26(土)10:00AM~
販売窓口、先行販売情報は公式ホームページへ!
[スタッフ]
原作:ガストン・ルルー
脚本:アーサー・コピット
作詞・作曲:モーリー・イェストン
演出:城田 優
[出演]
加藤和樹/城田 優(Wキャスト)、愛希れいか/木下晴香(Wキャスト)
廣瀬友祐/木村達成(Wキャスト)、エリアンナ、エハラマサヒロ、佐藤 玲、神尾 佑、岡田浩暉 ほか

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筆者

真名子陽子

真名子陽子(まなご・ようこ) ライター、エディター

大阪生まれ。ファッションデザインの専門学校を卒業後、デザイナーやファッションショーの制作などを経て、好奇心の赴くままに職歴を重ね、現在の仕事に落ち着く。レシピ本や観光情報誌、学校案内パンフレットなどの編集に携わる一方、再びめぐりあった舞台のおもしろさを広く伝えるべく、文化・エンタメジャンルのスターファイルで、役者インタビューなどを執筆している。

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