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大学の英語入試、まだ「異議あり」

刀祢館正明 朝日新聞記者

疑問噴出に、固まる文部科学省

英語入試拡大東京・本郷の東京大学で開かれた緊急シンポジウム=2019年10月13日

 実は、この「改革」には大きな難問が既に存在してしまっている。

 それは、全国の高校生たちが、自分たちがこれから受けなければならない新しい大学入試の英語は、問題だらけだと知ってしまったことだ。

 ネットで検索すれば、あれがおかしい、これも変だ、という問題点や欠点の書き込みが次から次へと見つかる。書いているのはどこの誰かわからない匿名の人間だけではない。高校や大学や予備校の先生たちが、多くは実名で書いている。そしてその先生たちが文部科学省の前や国立大学協会の前や、あるいは札幌市内に集まって反対を呼びかけたり、文科省で記者会見を開いたり、あちらこちらでシンポジウムを開いたりしている。

 10月13日に東京大学で開かれたシンポジウムは、台風19号の影響で首都圏の公共交通機関がまだ十分に復旧していなかったにもかかわらず、大教室がほぼ一杯になるほど集まった。もし台風が来ていなかったら、あふれていただろう。

 夏の終わり頃から、新聞やテレビ、週刊誌の報道も急増している。ほとんどが批判的なものだ。ふだんスマートフォンでしかニュースを見ない10代も、ネットを通して記事や番組を目にしたのではないか。

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筆者

刀祢館正明

刀祢館正明(とねだち・まさあき) 朝日新聞記者

関西生まれの関東育ち。1982年朝日新聞入社。整理部記者、朝日ジャーナル記者、アエラ記者、学芸部(現・文化くらし報道部)の記者と次長、ロンドン・スクール・オブ・エコノミクス(LSE)客員研究員、早稲田大学非常勤講師、オピニオン編集部編集委員などを経て、現在は夕刊企画班のシニアスタッフ。2013年秋から2019年春まで夕刊で「英語をたどって」を連載した。担当した記事が本になったものに『塩の道を行く』『奔流中国』『3.11後 ニッポンの論点』など。英語は嫌いではないが得意でもない。

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