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「あいトリ」補助金交付中止に強く抗議する

中沢けい 小説家、法政大学文学部日本文学科教授

韓国に対する輸出規制強化と経過が類似

 ところで、今回の文化庁の補助金交付中止決定の経緯は、韓国に対する輸出規制強化の決定の経緯とよく似た経過をたどっている。韓国に対する輸出規制強化でも最初に印象に残っているのは萩生田氏だ。当時は自民党幹事長代行だった荻生田氏は参議院選挙直前の6月末、ネットテレビに出演し、韓国への輸出規制強化を唱えた。7月1日にはこの萩生田氏の唱えた韓国への輸出規制強化は、安倍首相の唱えるところとなり、実際、経産省は韓国への3品目輸出規制強化を打ち出した。韓国の徴用工問題に対する報復と受け取られても仕方がない展開だった。ネットと地上波の違いはあれ、テレビ報道が先行し実際的な措置が動き出すという流れがある。

 韓国への輸出規制強化は、荻生田氏が唱える以前から、自民党内で取り沙汰されていたと東京新聞の「こちら特報部」は伝えている。それを実現させる引き金を弾いたのは荻生田氏のネットテレビでの発言ではなかったか。輸出規制強化は8月に入ると韓国をホワイト国除外へと繋がる。「あいちトリエンナーレ」の「表現の不自由展」に出品された「平和の少女像」が「日本国民の感情を傷つけるものだ」と河村たかし・名古屋市長が発言したのは、韓国のホワイト国除外が取り沙汰されている頃と時を同じくしている。河村市長は「表現の不自由展」を視察した直後に

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筆者

中沢けい

中沢けい(なかざわ・けい) 小説家、法政大学文学部日本文学科教授

1959年神奈川県横浜市生まれ。明治大学政治経済学部政治学科卒業。1978年「海を感じる時」で第21回群像新人賞を受賞。1985年「水平線上にて」で第7回野間文芸新人賞を受賞。代表作に「女ともだち」「楽隊のうさぎ」などがある。近著は「麹町二婆二娘孫一人」(新潮社刊)、対談集「アンチ・ヘイトダイアローグ」(人文書院)など。2006年より法政大学文学部日本文学科教授。文芸創作を担当。

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