前田和男(まえだ・かずお) 翻訳家・ノンフィクション作家
1947年生まれ。東京大学農学部卒。翻訳家・ノンフィクション作家。著作に『選挙参謀』(太田出版)『民主党政権への伏流』(ポット出版)『男はなぜ化粧をしたがるのか』(集英社新書)『足元の革命』(新潮新書)、訳書にI・ベルイマン『ある結婚の風景』(ヘラルド出版)T・イーグルトン『悪とはなにか』(ビジネス社)など多数。路上観察学会事務局をつとめる。
※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです
【2】三波春夫「世界の国からこんにちは」
国民の大半を駆り立てた強力な原動力は、三波による「万博の笛吹き唄」以外にもう一つあった。それは岡本太郎の「太陽の塔」だ。これを見た人は吹聴したくなり、それがまた人を呼ぶ。私も今回はじめて現物をみて圧倒された。写真に撮るだけでなく売店でフィギュアまで購入してしまった。そして前述した半世紀前の居酒屋のシーンの続編を思い出した。おっさんの飲み仲間がテレビに映った「太陽の塔」を指さしてこう呼応したのである。「三波春夫の唄もだけど、このとんでもない代物をさんざ見せられてるとさ、もう行ったのとおなじ気分になっちゃうよな」
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