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私はなぜ文化庁委員を辞めたのか【上】

あいちトリエンナーレへの補助金不交付は問題だらけだ

野田邦弘 鳥取大学特命教授(文化政策、創造都市論)

問題だらけの不交付理由

あいちトリエンナーレ拡大ピア・カミルの作品「ステージの幕」の前で行われた「あいちトリエンナーレ2019」の開幕セレモニー=2019年8月1日、名古屋市東区の愛知芸術文化センター

 文化資源活用推進事業審査委員会は、大学教授、美術・映像・舞台芸術などの専門家など有識者7人で構成されており、任期は1年間(2020年3月31日まで)である。

 4月に開催された審査委員会には7人中、筆者を含む6人が出席し、31件の申請案件を審査し、あいちトリエンナーレを含む26件の事業を採択した。その際、あいちトリエンナーレに関する特別の議論はなかったと記憶している。

 文化庁が補助金を不交付にした経緯を振り返ってみる。

 不交付は、9月26日付けで文化庁ホームページに「あいちトリエンナーレに対する補助金の取扱いについて」として公表された。

 そこには「補助金適正化法第6条等に基づき、全額不交付とする」と記されており、その理由として、

 1)展示会場の安全や事業の円滑な運営を脅かすような重大な事実を認識していたにもかかわらず、それらの事実を申告することなく採択の決定通知を受領した

 2)文化庁から問合せを受けるまでそれらの事実を申告しなかった、その結果として、「審査の視点において重要な点である、(1)実現可能な内容になっているか、(2)事業の継続が見込まれるか、の2点において、文化庁として適正な審査を行うこと」ができなかった、とある。

 しかし、この不交付の決定には問題が多い。

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筆者

野田邦弘

野田邦弘(のだ・くにひろ) 鳥取大学特命教授(文化政策、創造都市論)

2004年まで横浜市職員として「クリエイティブシティ・ヨコハマ」の策定や「横浜トリエンナーレ2005」など文化行政に携わる。主な著書に『文化政策の展開』、『創造都市横浜の戦略』、『文化行政−はじまり・いま・みらい』、『イベント創造の時代~自治体と市民によるアートマネジメント』、共著に『地域学入門』、『創造都市への展望』など。 近く『アートがひらく地域のこれから―クリエイティビティを生かす社会へ』(共著)が刊行される。鳥取の中心市街地でアートプロジェクト「ホスピテイル」に取り組む。