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『ダンス オブ ヴァンパイア』出演、東啓介/上

真面目で芯のある〝ザ・へたれ〟を演じたい

米満ゆうこ フリーライター


 舞台でも一際目立つ高身長に恵まれたルックス、確かな歌唱力で、ミュージカル界の大型新人と一身に期待を集める東啓介。その東が初出演するミュージカル『ダンス オブ ヴァンパイア』が11月に幕を開ける。同作はヴァンパイアの故郷・トランシルヴァニアを舞台に、山口祐一郎演じるヴァンパイアのクロロック伯爵が人間社会に近づき、宿屋の娘サラを誘惑し、さまざまな騒動を引き起こす物語。

 2006年に帝国劇場で初演されて以来、再演を重ね、山口がクロロックを演じるのは今回で5度目になる。東はヴァンパイアを研究するアブロンシウス教授の助手で、サラに恋をするアルフレートを演じる。東が『ダンス オブ ヴァンパイア』の魅力から、千秋楽で号泣したという主演作『Color of Life』、刺激を受けたニューヨーク、特技の書道まで話してくれた。

成長物語であり色んなものが詰まった作品

拡大東啓介=安田新之助 撮影

――まず、『ダンス オブ ヴァンパイア』についての印象をお聞かせください。

 映像資料を見る前に、周りの皆さんに「とにかく楽しいよ」と言われて、一体どういう作品なんだろうと思っていました。僕が演じるアルフレートとしては、成長物語であり、すごく切ない場面もあって色んなものが詰まっている作品だと思いますね。今回で5回目の上演になる意味が分かりました。アルフレートはヴァンパイアを探しに行くつもりが、サラという女性を好きになる。ヴァンパイアというとホラーだと思いがちですが、様々な人間模様が描かれていて素敵な話です。以前、僕は舞台で『ヴァンパイアハンター』という作品をやっていたんですよ。ヴァンパイアを倒す役で、何かヴァンパイアに縁があるんですかね(笑)。でも、この作品はヴァンパイアにも感情があるというのが分かって面白いです。

――アルフレートはどんな人物なのでしょう。

 〝ザ・へたれ〟だなと(笑)。いいへたれですね。僕ともう一人、アルフレートを演じる相葉裕樹さんも身長が高いので、この二人がおびえて動き回る姿は見どころかと思います。まだ、歌稽古の段階ですけど本稽古が始まるのが楽しみですね。

拡大東啓介=安田新之助 撮影

――何か共感できる部分はありますか。

 へたれですけど、真面目でピュアで、だれよりも意志が強いと思うんです。それが空回りしちゃっているだけで。僕もやろう、やろうと思っているのに前に進めなかったりということはよくあるので、すごく分かりますね。

――コミカルになりそうですね。

 ヴァンパイアと対決するアブロンシウス教授を演じる石川禅さんとのやり取りが一番面白いのではないかなと思います。禅さんに乗っかり、引っ張りつつ、楽しんでいけたらいいなと思いますね。歌稽古の段階で、色んなアドリブをされていたので、うわぁ、楽しいな、何か返したいなと思いました。そこからいい関係が生まれそうな気がしています。

――いつも役作りはどうされているのですか。

 まず台本を読んで、「かわいらしいな、へたれだな」と思ったらそれを受け止めて、何でこうなったんだろうと過去を遡るんです。本当は、やりたいことはこうなんじゃないかと考えていくと、裏に何かが見えてくる。それを準備して、サラ役の神田沙也加さんとはこうなる、もう一人のサラ役の桜井玲香さんとはああなると、順応してやっていけたらいいなと思います。

――公演が近づくと、そのキャラクターに私生活でもなりきることはあるのですか。

 長期だとそうなるかも知れないですね。あまり流されないようにしています。

とにかく、いじってもらいたい

拡大東啓介=安田新之助 撮影

――相葉さんとの違いはどういうイメージになりそうですか。

 僕のアルフレートは今までのアルフレートより、少し芯のある子になるんじゃないかと思っています。相葉さんがどのようにされるかは、詳しくは分からないですけど、〝ドへたれ〟をやってくれるのではないかと思います(笑)。ハハハ、こんなこと言ったら、失礼ですね。以前お話した際に、二人ともへたれキャラが多いという話をしていたんです。今まで培ってきたへたれを存分に出してくださるんじゃないかなと思います(笑)。

――芯のあるへたれというのは?

 演出家の山田和也さんから「ただのへたれではなく、真っすぐな気持ちゆえにできなかったり、ただバカをやっているのではなく、真面目がゆえにというのが大事」だと言われました。まさにそこですね。

――今までへたれキャラが多いというのは、どんな役ですか。

 『CLUB SLAZY』という作品で、トップエースなのに、引っ込み思案な役をやりました。ショーの話だったんですけど、ショーに出る前に「お腹痛い」「今日、占いで青い靴下をはくといいと言われて、赤い靴下だから出ない」とか、そういうへたれだったんです(笑)。以前演じたキャラクターと違うのは、先ほどもお話した通り、空回りしてしまっている部分ですね。へたれのジャンルが違う(笑)。とにかく、いじってもらいたいですね。

◆公演情報◆
ミュージカル『ダンス オブ ヴァンパイア』
東京:2019年11月5日(火)~11月27日(水) 帝国劇場
名古屋:2019年12月15日(日)~12月21日(土) 御園座
博多座:2020年1月1日(水・祝)~1月7日(火) 博多座
大阪:2020年1月13日(月・祝)~1月20日(月) 梅田芸術劇場メインホール
公式ホームページ
[スタッフ]
脚本/歌詞:ミヒャエル・クンツェ
音楽:ジム・スタインマン
演出:山田和也
[出演]
山口祐一郎、神田沙也加/桜井玲香(Wキャスト)、相葉裕樹/東 啓介(Wキャスト)、大塚千弘、コング桑田、阿知波悟美、植原卓也、駒田 一、石川 禅 ほか

〈東啓介プロフィル〉
 2013年、舞台『ミュージカル・テニスの王子様2ndシーズン』でデビュー。主に舞台に出演しながら、近年はドラマや映画などにも活躍の場を広げている。最近の主な出演作品は、『Color of Life』、『命売ります』、『マリーゴールド』、『5DAYS 辺境のロミオとジュリエット』、『マタ・ハリ』、『スカーレット・ピンパーネル』など。2020年3月には、ミュージカル『ホイッスル・ダウン・ザ・ウィンド ~汚れなき瞳~』への出演が決まっている。
公式ホームページ
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筆者

米満ゆうこ

米満ゆうこ(よねみつ・ゆうこ) フリーライター

「三度の飯よりアートが好き」で、国内外の舞台を中心に、アートをテーマに取材・執筆。ブロードウェイの観劇歴は20年以上にわたり、ブロードウェイの劇作家トニー・クシュナーや、演出家マイケル・メイヤー、スーザン・ストローマンらを追っかけて、現地で取材をしている。

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