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雅子さまが即位礼正殿の儀で見せたまばたきに思う

矢部万紀子 コラムニスト

 10月22日、「即位礼正殿の儀」をテレビ中継で見た。病を得てから、宮中祭祀などの儀式はお休みすることがほとんどだった雅子さま。ビッグイベント中のビッグイベントであるこの国事行為に、どのように臨まれるのか。その姿を見たかった。

 儀式が始まったが、ほとんど雅子さまは映らなかった。これは想定外で、かなり戸惑った。陛下が即位を内外に宣言するという儀式なのだから、当然と言えば当然だ。だが、高御座(たかみくら)ばかりが映り、御帳台(みちょうだい)が映る時間がこれほど短いとは思っていなかった。

 とばりが開き、陛下が「おことば」を述べ、安倍首相が「寿詞(よごと)」を述べ、参列者による万歳三唱があり、再びとばりが閉められる。その15分ほどの間で、雅子さまの表情がわかる映像は2度だけだった。「おことば」前の30秒ほどと、「おことば」後のほんの数秒。儀式の性質を理解しつつ、皇室とはそういう世界なのだなあと思ったりしながら見ていた。

即位礼正殿の儀」で、「御帳台」に立つ皇后さま=2019年10月22日午後1時13分、皇居・宮殿の正殿・松の間、代表撮影 20191022拡大「即位礼正殿の儀」で、「御帳台」に立つ皇后さま=2019年10月22日、皇居・宮殿、代表撮影

 短く映る雅子さまの顔を見て気づいたのが、まばたきだった。大きな目だから余計に目立つのかもしれないが、繰り返していることがはっきりわかった。元新聞記者のさがで、つい数えてしまった。最初の30秒では7回、あとの数秒でも2回。人がする通常のまばたきよりはずっと多いと感じた。

 「並々ならぬ緊張をされているのだな」という感想も持ったが、それ以上にあれこれ考えた。陛下とあまりに違ったから、その「意味」のようなことに思いを巡らした。天皇家に生まれるとは、そこに嫁ぐとは。そんなことを考えた。

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筆者

矢部万紀子

矢部万紀子(やべ・まきこ) コラムニスト

1961年生まれ。83年、朝日新聞社に入社。宇都宮支局、学芸部を経て、週刊誌「アエラ」の創刊メンバーに。その後、経済部、「週刊朝日」などで記者をし、「週刊朝日」副編集長、「アエラ」編集長代理、書籍編集部長などをつとめる。「週刊朝日」時代に担当したコラムが松本人志著『遺書』『松本』となり、ミリオンセラーになる。2011年4月、いきいき株式会社(現「株式会社ハルメク」)に入社、同年6月から2017年7月まで、50代からの女性のための月刊生活情報誌「いきいき」(現「ハルメク」)編集長をつとめた後、退社、フリーランスに。著書に『美智子さまという奇跡』(幻冬舎新書)、『朝ドラには働く女子の本音が詰まってる』(ちくま新書)。

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