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饗宴の儀、雅子さまのフリルと美智子さまのケープ

矢部万紀子 コラムニスト

撮られることに折り合いがついた?

 仕事の世界では、「受け身」はいけないこととされる。自ら動く。能動こそが評価される。ハーバード大でも東大でも外務省でも、雅子さまは自ら努力し、評価を得てきた。だが、「皇室外交」を望んだ雅子さまの予想に反して、皇室で一番期待されたのが男子出産だった。余計な努力は求められず、期待されたのは努力だけでは結果が出ないものだった。がっかりする。傷つく。「適応障害」と診断された。

 能動がダメとされた時に、受け身を喜べと言われても難しい。「撮影される」にも意味を見出せない。だから、「撮影される」がセットでついてくる「大勢に囲まれる」が苦手となった。これが、私なりの理解だった。

 だが、それから一転。皇后になってからの雅子さまは、大勢の人の前で楽しそうだった。駅で、沿道で、大勢が待ち受け、スマホを向ける。雅子さまは、ほほ笑んで手を振る。最近ではもう、なじみの光景だ。

JR東京駅に到着した天皇、皇后両陛下=2019年9月29日午後7時28分、代表撮影拡大JR東京駅で=2019年9月29日、代表撮影

 雅子さまは、撮られるということと折り合いをつけることが出来たのだと思った。それはつまり、皇室で生きることと折り合いをつけられたということだろう。よかった、よかったと、勝手にほっとしていた。

 とはいえ、「即位礼正殿の儀」だ。「儀式」の中でも超がつく重要なものだから、さぞや負担だろうと心配していた。ところが

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筆者

矢部万紀子

矢部万紀子(やべ・まきこ) コラムニスト

1961年生まれ。83年、朝日新聞社に入社。宇都宮支局、学芸部を経て、週刊誌「アエラ」の創刊メンバーに。その後、経済部、「週刊朝日」などで記者をし、「週刊朝日」副編集長、「アエラ」編集長代理、書籍編集部長などをつとめる。「週刊朝日」時代に担当したコラムが松本人志著『遺書』『松本』となり、ミリオンセラーになる。2011年4月、いきいき株式会社(現「株式会社ハルメク」)に入社、同年6月から2017年7月まで、50代からの女性のための月刊生活情報誌「いきいき」(現「ハルメク」)編集長をつとめた後、退社、フリーランスに。著書に『美智子さまという奇跡』(幻冬舎新書)、『朝ドラには働く女子の本音が詰まってる』(ちくま新書)。最新刊に『雅子さまの笑顔――生きづらさを超えて』(幻冬舎新書)

※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです

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