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延期された英語入試、再検討へ四つの提言

大学入試への民間試験導入の問題点を指摘してきた記者が「次の一手」を考える

刀祢館正明 朝日新聞記者

新しい検討会議は、透明な人選で出発を

英語入試延期拡大民間試験の導入延期を求めていた全国高校長協会が開いた緊急シンポジウム=2019年10月21日、東京都千代田区

 新たに作るという検討会議にも、いくつか注文がある。

 まず人選。

 議論の対象は英語の試験であり、大学入試のあり方だ。英語教育とテスト研究の専門家を集めるのは当然だろうが、ただし、これまで文科省が「お世話になってきた」人たちは、遠慮してもらいたい。なぜなら、まさにその人たちがかかわって作った試験が、こんなに大きな反対を受け、立ち行かなくなったのだから。

 試験団体の関係者はもちろん、これまで民間試験の開発や問題作成、あるいは広報宣伝にかかわった先生たちも、ご遠慮願いたい。いくら当人が「自分は公正にやっている」「問題ない」といっても、それでは公正性を担保したことにはならないのが現代の常識だ。実際、野党のヒアリングでこのことを質問された文科省の課長たちが全員黙ってしまったこともあった。問題があったと認めたかっこうだ。

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筆者

刀祢館正明

刀祢館正明(とねだち・まさあき) 朝日新聞記者

関西生まれの関東育ち。1982年朝日新聞入社。整理部記者、朝日ジャーナル記者、アエラ記者、学芸部(現・文化くらし報道部)の記者と次長、ロンドン・スクール・オブ・エコノミクス(LSE)客員研究員、早稲田大学非常勤講師、オピニオン編集部編集委員などを経て、現在は夕刊企画班のシニアスタッフ。2013年秋から2019年春まで夕刊で「英語をたどって」を連載した。担当した記事が本になったものに『塩の道を行く』『奔流中国』『3.11後 ニッポンの論点』など。英語は嫌いではないが得意でもない。

※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです

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