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古い書物は「見た目」で語る

装丁や形から考える本の歴史と性格

有澤知世 神戸大学人文学研究科助教

古典籍に触れてみよう

 さて、古典籍の実物に触れてみたくなった方もいらっしゃるだろう。

 国文学研究資料館や国立国会図書館、全国各地にあるさまざまな資料館・文庫など、古典籍を所蔵する機関は数多い。必要な手続きを行えば、研究者でなくとも利用できる施設や資料は案外たくさんある。

 東京の神保町や京都の寺町などの古書店街にも古典籍を扱う専門店がある。そういう店も参加する各地の古本まつりなどは、最も気軽に古典籍を手に取ることのできる機会かもしれない。

 見る前に手を洗う、紙をこすらない、汚さないなど、基本的なルールさえ守れば、古典籍には誰もが接することができる。長い時間の中、人の手から手へと受け継がれ、この先の未来へ残すべき知的財産だということを意識しながら、ぜひ現物に触れていただきたい。詳しくは、堀川貴司『書誌学入門―古典籍を見る・知る・読む―』(勉誠出版、2010年)をどうぞ。

国文学研究資料館主催
企画展示「本のかたち 本のこころ」

古典籍拡大企画展示「本のかたち 本のこころ」

世界でも稀な量と種類の多様さを誇る日本の古典籍の豊かな広がりを原本の展示で紹介する
◇2019年12月14日まで(日曜、祝日休み)
 午前10時~午後4時30分(入場4時まで)  
◇東京都立川市緑町10-3
  国文学研究資料館1階 展示室
◇入場無料

南側エントランスホールは工事中のため入場は北側入口から
土曜日の入場は北側通用口から


筆者

有澤知世

有澤知世(ありさわ・ともよ) 神戸大学人文学研究科助教

日本文学研究者。山東京伝の営為を手掛りに近世文学を研究。同志社大学、大阪大学大学院、日本学術振興会特別研究員(PD)を経て、2017年1から21年まで国文学研究資料館特任助教。「古典インタプリタ」として文学研究と社会との架け橋になる活動をした。博士(文学)。

※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです

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