2019年11月20日
「アナ雪」といえば、14年にディズニー映画版が日本でも一大ブームを巻き起こし、全世界のアニメーション映画興行収入歴代1位を記録。18年にブロードウェイで舞台化された人気作である。新劇場の幕開けにはぴったりの華やかな作品といえる。
思えば、1998年、劇団四季にとって首都圏初の常設劇場として開場した旧劇場の「春」は、2017年に閉館するまで「ライオンキング」1作の超ロングランを続けた。一方、「秋」は、「ミュージカル李香蘭」「ユタと不思議な仲間たち」などを上演。開演前には、浜松町駅から劇場に向かう人たちの列ができていたものだ。
私は雑誌の企画でこどもたちと「ライオンキング」の舞台裏探検をしたり、浜松町駅前の文化放送で番組に出た後、何度も観劇しに行った。東京では珍しい豪雪の日、局から足をズボズボ埋めながら歩いて、やっとたどり着いたとき、満員の観客が何事もなかったかのように着席していて驚いたこともある。
新劇場オープンであのにぎわいが戻ってくる。しかし、雰囲気はかなり変化しそうだ。
実はこの会見は、JR東日本グループによる竹芝ウォーターフロント開発計画についてのものだった。計画名はズバリ「WATERS takeshiba」。計画によれば、このエリアに新劇場の入るシアター棟と大型商業施設「アトレ竹芝」、ラグジュアリーホテル「メズム東京、オートグラフ コレクション」、オフィスが入るタワー棟、パーキング、水辺には誰もがくつろげる広場を設けるという。
正直、竹芝がウォーターフロント?という気がしないでもなかった。会見で配布された資料の関係者の言葉の中にも、ここに海があることは忘れられていたとある。しかし、劇場の目の前は東京湾。竹芝ふ頭もすぐだ。今後、このエリアから浜離宮恩賜庭園の緑、海につながるロケーションの魅力は見直され、人気を集めることになるだろう。
この会見で改めて感じたのは、劇場と街づくりの関係である。
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