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改憲で国家組織・国民生活は激変する

自衛隊を「違憲」にしたのは安倍政権。集団的自衛権の違憲性を国民に問うべきだ

杉田聡 帯広畜産大学名誉教授(哲学・思想史)

改憲案の否決は安保法制の否決を含む

 さて、国民投票によって改憲の是非が問われたら、何が起こるか?

 改憲案が否決されたなら、安倍政権による集団的自衛権行使容認に関わるこれまでの立法・国家安全保障会議決定・閣議決定も含めて否決された、と考えるべきである。

 首相は、「否決されても自衛隊が合憲であることは変わらない」、「肯定されても自衛隊の任務、権限は変わらない」と述べた(半田滋『安保法制下で進む! 先制攻撃できる自衛隊――新防衛大綱・中期防がもたらすもの』あけび書房、21頁; ならば、なんのために膨大な税金を使って国民投票をするのかについて根本的な疑念があるが、この点は今はおく)。

 なるほど「自衛隊が〔そもそも〕合憲であることは変わらない」と見なしてもよい(後述)。だが現在の自衛隊はそうではない。攻撃的装備を有し、集団的自衛権を行使する自衛隊は違憲の可能性が非常に高いが、それを決定的にしたのは、安倍政権による安保法制等の制定である(前稿)。とすれば、自衛隊=合憲化をめざす改憲案が否決されれば、安保法制の中核的部分、すなわち自衛隊による集団的自衛権の行使容認自体が否決された、と判断すべきであろう。

可決は制服組の権力を増し第9条は失効する

 一方、改憲案が可決されたらどうなるのか。政治的・社会的な影響は計りしれない。

 まず自衛隊(制服組)は、

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筆者

杉田聡

杉田聡(すぎた・さとし) 帯広畜産大学名誉教授(哲学・思想史)

1953年生まれ。帯広畜産大学名誉教授(哲学・思想史)。著書に、『福沢諭吉と帝国主義イデオロギー』(花伝社)、『逃げられない性犯罪被害者——無謀な最高裁判決』(編著、青弓社)、『レイプの政治学——レイプ神話と「性=人格原則」』(明石書店)、『AV神話——アダルトビデオをまねてはいけない』(大月書店)、『男権主義的セクシュアリティ——ポルノ・買売春擁護論批判』(青木書店)、『天は人の下に人を造る——「福沢諭吉神話」を超えて』(インパクト出版会)、『カント哲学と現代——疎外・啓蒙・正義・環境・ジェンダー』(行路社)、『「3・11」後の技術と人間——技術的理性への問い』(世界思想社)、『「買い物難民」をなくせ!——消える商店街、孤立する高齢者』(中公新書ラクレ)、など。

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