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【公演評】宙組『El Japón』

異国の地で侍魂を発揮する真風涼帆、ショーではウイスキーでお客様を酔わせる

さかせがわ猫丸 フリーライター


 宝塚宙組公演、宝塚ミュージカル・ロマン『El Japón(エル ハポン) -イスパニアのサムライ-』、ショー・トゥー・クール『アクアヴィーテ(aquavitae)!!』~生命の水~ が、11月15日、宝塚大劇場で初日を迎えました。

 お芝居の『El Japón -イスパニアのサムライ-』は、江戸時代に慶長遣欧使節団としてイスパニア(スペイン)に渡った仙台藩士たちを描くオリジナル作品。トップの真風涼帆さんが演じるのは、夢想願流剣術の名手で伊達政宗の護衛をつとめる蒲田治道。決して自分を許すことのない過去を持つ、陰のある男は真風さんが最も映える役柄となりました。相手役の星風まどかさんとともに盤石な基盤を築いて、これが大劇場4作目。宙組トップスターとして、ますます輝きを増しています。(以下、ネタバレがあります)

美男剣士真風に心奪われる

拡大『El Japón -イスパニアのサムライ-』公演から、蒲田治道役の真風涼帆=岸隆子 撮影

――慶長18年、牡鹿半島。イスパニアとの貿易交渉に向かう使節団の出航を祝うさなか、剣舞を踊る数人が突然、伊達政宗(美月悠)に襲いかかった。そこへ蒲田治道(真風)が現れ次々と斬り捨てるが、首謀者が和賀一族の生き残りで、かつての恋人藤乃(遥羽らら)の弟・藤九郎(和希そら)とわかると、その剣を収めてしまう。自ら処分を求める治道だったが、事件を内密に処理した政宗は、治道と藤九郎を船に乗せ、イスパニアへと送るのだった。

 オープニングは、門出を祝う舞で華やかに幕が上がりました。突然の不穏な動きの中、さっそうと登場し豪快な殺陣を披露する美男剣士・真風涼帆に、まずは心を奪われてしまうでしょう。男役らしさあふれる真風さんが着こなすのは、スーツや軍服だけではありません。日本男児のかみしも姿にも、ひときわ麗しさが映えています。

 治道は夢想願流剣術の名手で伊達政宗の護衛役、いわゆるボディガードの設定です。強いだけではなく優しさも匂わせながら、徹底してクールなところが真風さんの持つイメージにはまり、愛する女性を守り切れなかった憂いが渋みにすらなっています。イスパニアに渡った後の独特なスタイルも着こなし、無造作な長髪があれほど自然でカッコいいのも真風さんだからこそですね。

 夢想願流――ひとを生かすための、そして生き延び、何かを守り続けるための剣術とともに生きる治道。異国の地でどんな時でも冷静さを失わず、侍魂を忘れません。

◆公演情報◆
宝塚ミュージカル・ロマン『El Japón -イスパニアのサムライ-』
ショー・トゥー・クール『アクアヴィーテ!!』~生命の水~
2019年11月15日(金)~12月15日(日) 宝塚大劇場
2020年1月3日(金)~2月16日(日) 東京宝塚劇場
公式ホームページ
[スタッフ]
『El Japón -イスパニアのサムライ-』
作・演出:大野 拓史
『アクアヴィーテ!!』
作・演出:藤井 大介

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筆者

さかせがわ猫丸

さかせがわ猫丸(さかせがわ・ねこまる) フリーライター

大阪府出身、兵庫県在住。全国紙の広告局に勤めた後、出産を機に退社。フリーランスとなり、ラジオ番組台本や、芸能・教育関係の新聞広告記事を担当。2009年4月からアサヒ・コム(朝日新聞デジタル)に「猫丸」名で宝塚歌劇の記事を執筆。ペンネームは、猫をこよなく愛することから。

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