メインメニューをとばして、このページの本文エリアへ

news letter
RSS

世良公則&ツイスト、そして1980年代へ

太田省一 社会学者

CMタイアップソングの時代~「燃えろいい女」

 それもあってか、ヒット曲という点では世良公則&ツイストが「ロック御三家」のなかで最も目立っていた。3枚目のシングル「銃爪(ひきがね)」(1978年発売)は、オリコン週間チャート1位になっただけでなく、人気の音楽ランキング番組『ザ・ベストテン』(TBSテレビ系)で10週連続1位を記録し、番組の年間1位にも輝いた。

 そうした彼らの大衆性をもうひとつ象徴するのが、CMのイメージソングである。世良公則は、大学で広告専攻でもあった。

 この頃、ヒット曲を生み出す手段としてCMとのタイアップが注目されるようになる。古くからのCMソングが商品名を連呼するようなものだとすれば、この時期歌われるようになったのは商品に直接言及せずにそのイメージを高めるような楽曲だった。それゆえ、歌手はその楽曲を独立した自分の持ち歌として歌うこともできた。たとえば、JALのアメリカ旅行キャンペーンのCMに使われてヒットしたサーカスの「アメリカン・フィーリング」(1979年発売)などがそうである。

「太陽にほえろ!」にレギュラー入りした世良 公則拡大世良公則は人気ドラマ「太陽にほえろ!」にもレギュラー出演して、表現の幅を広げていった=1982年

 ツイストの5枚目のシングル「燃えろいい女」(1979年発売)も、資生堂のサマーキャンペーン「ナツコの夏」のCMに流れた。歌のサビでシャウトする「燃えろ いい女 燃えろ ナツコ」という部分はキャンペーンのフレーズを取り込んだ詞になっているが、楽曲そのものはCMを知らなくとも成立する。まさに典型的なCMのイメージソングであった。

 この曲も

・・・ログインして読む
(残り:約1322文字/本文:約3212文字)

全ジャンルパックなら本の記事が読み放題。


筆者

太田省一

太田省一(おおた・しょういち) 社会学者

1960年、富山県生まれ。東京大学大学院社会学研究科博士課程単位取得満期退学。テレビ、アイドル、歌謡曲、お笑いなどメディア、ポピュラー文化の諸分野をテーマにしながら、戦後日本社会とメディアの関係に新たな光を当てるべく執筆活動を行っている。著書に『紅白歌合戦と日本人』、『アイドル進化論――南沙織から初音ミク、AKB48まで』(いずれも筑摩書房)、『社会は笑う・増補版――ボケとツッコミの人間関係』、『中居正広という生き方』(いずれも青弓社)。最新刊は『SMAPと平成ニッポン――不安の時代のエンターテインメント 』(光文社新書)、『ジャニーズの正体――エンターテインメントの戦後史』(双葉社)。

太田省一の記事

もっと見る