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平方元基インタビュー/上

今の平方元基を感謝を込めて届けられたら

真名子陽子 ライター、エディター


 ミュージカル俳優の平方元基さんが2年ぶりのコンサート『平方元基 プレミアムコンサート2019』を、12月20日にめぐろパーシモンホール 大ホールで開催します。数々のグランド・ミュージカルで、優しく耳なじみの良いまろやかな歌声を聞かせてくれる平方さんが、最初にコンサートを開催したのは2016年。ミュージカルナンバーを中心に構成されたコンサートは今回が3回目となります。ゲストに佐藤隆紀さん(LE VELVETS)と平野 綾さんを迎え、2019年の締め括りに相応しく、楽しく賑やかなコンサートになる予感満載です。

 ミュージカル俳優としてコンサートを開催する思いや、ゲストを選んだ理由とお二人に対する思い、また、2019年を振り返っていただいて、『エリザベート』や『ストーリー・オブ・マイ・ライフ』についてもお伺いしています。

次いつやるかわからないですよ(笑)

拡大平方元基=岩田えり 撮影〈スタイリスト:鬼束香奈子、ヘアメイク:渡部圭依子〉

――2年ぶり3回目のコンサートですが、1年空いたのは何か理由があるんですか?

 僕自身、歌を歌う人という感覚がなくて、毎年コンサートを開催したいという思いがあるわけではないんです。ミュージカルの劇中ではもちろん歌っていますが、歌手ではないので定期的にコンサートをやるということがしっくりこなくて。

――毎年やるぞ!という感覚ではないんですね。

 そうなんです。だから、次いつやるかわからないですよ(笑)。

――それは、見逃せない!(笑)。

 (笑)。すごく不思議な感覚なんですよね、どうしてマイクを持って歌を歌っているんだろうって。学生の頃はカラオケで普通にマイクを持って歌っていましたけど(笑)。ミュージカルではセットマイクを付けるので、両手が空くから自由なんですよね。だから、コンサートでマイクを手に持って歌うことが難しいと感じるんです。ミュージカルでは音の調整などはオペレーターの方がしてくださいますが、コンサートでは自分の歌声に対して自分で調整しないといけないから、知識を持っていないと話にならない……だから、僕は歌手じゃないなって思ったんです(笑)。

――そんな思いの中、2年ぶりにやろうと思ったのは?

 ファンの方々や知り合いの方からは、コンサートを開催して欲しいという声をいただいていたんですけど、舞台の稽古や本番などが続いていてなかなかタイミングが合わなかったんです。でも今年は、この時期だったらできるねという話になって、2年ぶりになるけどやってみようかと…。

――マイクを持ってみようかなと…。

 そう。コンサートって意外と緊張するんですよね。タイトルに自分の名前が付いているからドキドキするのかな…。ミュージカルの歌も歌うから、演じている時と同じような気持ちで歌おうと思うんだけど、手にはマイクを持っているわけで。よくミュージカルのガラコンサートなどで、マイクを持ちながら役の衣装で普通にお芝居をして歌うことってあるじゃないですか、僕にはそれが難しいなと思っています。だから今回もお芝居をしている感覚とは違う感覚で歌を届けるのが良いのかなと思ったりしています。

――役ではなく平方元基として歌うんですもんね。

 台本の流れがあると、お客さまが知らない曲も自然に届けられるけど、コンサートのようにその曲だけで勝負しないといけなくなった時に、いろんな表現をしてみても良いのかなと思っています。

お客さまに委ねてみよう、信じてみよう

拡大平方元基=岩田えり 撮影〈スタイリスト:鬼束香奈子、ヘアメイク:渡部圭依子〉

――前回のコンサート時のインタビューでも悩んでいらっしゃいました。歌だけを届けることが難しいと。

 役に憑依して入り込むっていうタイプではないんです。みんなで作り上げる物語の流れの中で歌うから、その曲の意味がわかるんですよね。だから、その曲をコンサートで歌うとなった時に、その曲の背景にある物語が見えなくても歌っていいんだろうかと悩みました。でもそれは、僕じゃなくてお客さまが決めてくださることだなって、2年前のコンサートをさせてもらった時に感じたので、自分で先に決めてしまうのではなく、お客さまに委ねてみよう、信じてみようって思っています。お客さまが楽しんでくださるのが一番だから。

――優しい……!

 だって、12月20日って忙しい時期じゃないですか!? そんな中、わざわざ来てくださるなんてねえ……。前回、すごく緊張していた時に、みんな平方のことを好きで見に来てくださってるんだから、好きにやればいいんだよってスタッフさんが言ってくれたんですけど、え~~、本当にぃ~!?って思いますもん。自分の名前が付いたコンサートですから、僕が歌っていたら僕を見るしかないじゃないですか。だから、なるべく良いものを見てもらいたいなって思うんです。

――皆さん、平方さんのことが好きで見に来られるんですよ。

 びっくりしますよね。僕はデビューも遅かったし、オーディションを受けて初めてミュージカルの世界に出会ったので、ミュージカルをずっとやりたかったんですという心持ちの方とは少し違うんです。でも、ミュージカルを好きになって、やりたくてやり続けて、今こうしてコンサートも開かせていただけることはすごくありがたいです。自分を大きく見せるのではなく、ここまでこうしてやってきたから今こんな風に歌えます、でもこれ以上のことはできません、ということを正直に提出してみようと思っています。

ファンの方からドンピシャでリクエストが来る

拡大平方元基=岩田えり 撮影〈スタイリスト:鬼束香奈子、ヘアメイク:渡部圭依子〉

――今回はどんなコンサートになるんでしょう?

 いつもコンセプトを決めているんです。前回は僕がミュージカルに出会ってからの歴史を、僕が出演したミュージカルの曲で構成して、その時の自分の気持ちと合わせて表現するというコンセプトを提案しました。でも今回は、自分が…というより、自分の知らない自分やどういう風に見られているのかを客観的に知りたいので、そういうところを演出家の(菅野)こうめいさんに投げています。自分のプランを極力少なくしたいなと。でも、冬なのであったかい雰囲気にしたいのと、昭和の歌謡ショーのように、どこか懐かしい感じがあるとうれしいなと思っています。激しいライブというよりは、大人っぽい雰囲気がいいかなと話しています。2年前から歌える曲も増えたのでそれらも織り交ぜながら、「今はこういうことができるんです、こういう曲も歌わせてもらっています」ということを、感謝を込めて届けられたら。

◆公演情報◆
『平方元基 プレミアムコンサート2019』
2019年12月20日(金)めぐろパーシモンホール 大ホール
開場17:45/開演18:30(終演予定20:45)
出演:平方元基
スペシャル・ゲスト:佐藤隆紀(LE VELVETS)、平野 綾
構成・演出:菅野こうめい
音楽監督:園田 涼
演奏:ソノダオーケストラ
公式ホームページ
 
〈平方元基プロフィル〉
2008年連続ドラマ『スクラップ・ティーチャー~教師再生~』でデビュー。2010年舞台『ヘルプマン!』にて、初舞台&初主演。2011年ミュージカル『ロミオとジュリエット』ティボルト役でミュージカルデビューし、『エリザベート』『シラノ』『マイ・フェア・レディ』『王家の紋章』『スカーレット・ピンパーネル』『レディ・べス』など数々の本格ミュージカルにて重要な役を演じる。2020年3月にミュージカル『サンセット大通り』への出演が決まっている。
平方元基オフィシャルサイト

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筆者

真名子陽子

真名子陽子(まなご・ようこ) ライター、エディター

大阪生まれ。ファッションデザインの専門学校を卒業後、デザイナーやファッションショーの制作などを経て、好奇心の赴くままに職歴を重ね、現在の仕事に落ち着く。レシピ本や観光情報誌、学校案内パンフレットなどの編集に携わる一方、再びめぐりあった舞台のおもしろさを広く伝えるべく、文化・エンタメジャンルのスターファイルで、役者インタビューなどを執筆している。

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