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高校生の僕は英語民間試験に異議を唱えた【上】

意見表明する10代の2人が、いま考えていること

刀祢館正明 朝日新聞記者

きっかけはツイッター、大臣の発信にぶち切れた

 ――英語入試の問題に関わるようになったきっかけは何でしたか。

発言する高校生拡大クリス君=中井征勝氏撮影

 クリス 夏の、文部科学省前の抗議活動からです。田中真美さん(現・都立高非常勤講師)らが始めた活動で、その2回目の9月6日の時から参加しました。あの時、こばるとはスピーチした。僕はその場にいただけだけど。

 こばると そうだっけ? そうかそうか。

 クリス 夏休み前に学校で説明会があって「大学入試が変わるから夏休み中に調べてください、どの民間試験を受けるか、どう準備するか考えて下さい」と言われた。夏休み中に民間試験の勉強をしようと思って。でも、ネットで調べてもまとまったものが見当たらない。そうしたら夏休み中の8月16日に、柴山さん(柴山昌彦・前文科大臣)が発信した「(英語入試改革に)サイレントマジョリティは賛成です」というツイートにぶち切れて。なんでこんなことを言うんだ、と。その声を届ける機会があると知って、文科省前の抗議に参加しました。

 こばると 僕は6月にツイッターで羽藤由美先生(京都工芸繊維大学教授)が反対する国会請願のための署名を集めていると知ってからです。それまでは、入試の英語が変わるらしい、英検を受けないといけない、ぐらいの認識だった。でも調べたら、いくつもの民間試験を比べようとしているとか、おかしいところがたくさん見えてきた。それで署名用紙を印刷できるようにネットにあげるとか、いろいろ協力しました。羽藤先生や田中先生ともツイッターでつながって、文科省前抗議に参加した。

 ――ツイッターの役割は大きい?

発言する高校生拡大こばると君=中井征勝氏撮影
 クリス 大きいです。ツイッターでこうなっています。

 こばると けっこう大きいかも。この2人も含めて柴山さんの「サイレントマジョリティ」のツイート、あのへんで怒る人が出てきたり、たくさん人が動き始めたりした。夏ごろまでは大学入試の問題ってニュースにならなかったじゃないですか。僕はどうやったら一般の人にも広められるか考えていた矢先に柴山さんのツイートが出た。打ちのめされた感じだった。生徒たちのことを気にしていないことが如実に表れていて。僕の場合は、怒るというよりは「やっぱり僕らはそう思われているんだ」でした。

 民間試験については、英語はそれなりに勉強してきたから、ある程度の点は取れるだろうと思っていた。ただ、よく調べてみると、これはおかしいと思った。文科省の発表を見ても、ふわっとしたことしか書いていない。あれ、これ大丈夫? 本当にやるんだよね、みたいな。当時は周りのみんなも情報を持っていなくて、知らない人は学校の説明会で「英検受ければいいと思っていたけれど、え、これなに」みたいな感じだった。

 クリス そうそう。うちの学校も英語は余裕な人が多くて、「受ければいいんでしょ」みたいな。でも「通常の英検は受験に使えないの?」みたいな、よく知らない子も結構いた。先生がホームルームで「大学入試の英検は別です」と言ったら、全然知らない子ばかりだった。

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筆者

刀祢館正明

刀祢館正明(とねだち・まさあき) 朝日新聞記者

関西生まれの関東育ち。1982年朝日新聞入社。整理部記者、朝日ジャーナル記者、アエラ記者、学芸部(現・文化くらし報道部)の記者と次長、ロンドン・スクール・オブ・エコノミクス(LSE)客員研究員、早稲田大学非常勤講師、オピニオン編集部編集委員などを経て、現在は夕刊企画班のシニアスタッフ。2013年秋から2019年春まで夕刊で「英語をたどって」を連載した。担当した記事が本になったものに『塩の道を行く』『奔流中国』『3.11後 ニッポンの論点』など。英語は嫌いではないが得意でもない。

※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです

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