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超有名なお酒好きの大先輩を偲んで、一杯

彼は音楽ができる人なら誰にでも優しく接し、そして誰よりも美しく奏でた

ミン・ヨンチ ミュージシャン 韓国伝統音楽家

大好きな10歳年上の大先輩

 そんな現場で私にお酒を買わせに行かせるイ・ジュノ先輩。私の大大大好きな先輩だった。

 最近、私も年をとったのでしょう。

 周りで仲の良かった知人たちがよく亡くなる。

 2019年は特に多かった。無形文化財だった、打楽器奏者の先輩や、大好きだったミュージシャンの先輩、そして先生方。

 先輩も2019年、突然逝ってしまわれた。

拡大イ・ジュノさん
 彼はスルギドゥンの代表だったし、KBS国楽管弦楽団の指揮者を長年にわたって務められた。

 私もスルギドゥンに9年在籍したし、その後もKBS国楽管弦楽団で、たくさんご一緒した。国内はもちろん、海外公演もたくさんご一緒した。だから彼とは、30年くらいのお付き合いになるでしょう。高校も同じところで、国立国楽高等学校。元李王朝雅楽部養成所だ。僕は29期、イ・ジュノ先輩は19期。ちょうど10歳差である。

 専攻も一緒のテグム(大笒:長い横笛)だった。

 国立国楽高等学校は、非常にきびしい学校なので1つ先輩でも天のような存在。2つ先輩なんかは宇宙と思って慕わなければならなかった。彼は10年上だから、今の流行語でいう「神」みたいなものかな。それでも、彼は普段からそんなことはあまり気にせず、私に優しかった。

 私にだけではなく、音楽ができる人なら誰にでも積極的に接してくれた。

 特にソグム(小笒:短い横笛)という楽器。テグムがフルートなら、ソグムはピッコロ。イ・ジュノ先輩はこのソグムの達人でもあった。

 韓国の国楽器は、楽器自体がおよそ700年前から改良されていなので、音程(ピッチ)を合わすのが超難しい。伝統音楽はもちろん、まして現代音楽は個人の繊細な技量を必要とする。けど彼はPOPソングも、難なく誰よりも美しく奏でた。

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筆者

ミン・ヨンチ

ミン・ヨンチ(閔 栄治) ミュージシャン 韓国伝統音楽家

大阪生まれ。幼少の頃からブラスバンドやドラムを経験し、高校から韓国へ。旧李王朝雅楽部養成所であった国立国楽高等学校に入学、ソウル大学音楽学部国楽科卒。1992年サムルノリ競演大会個人部最優秀賞。1992年国楽室内管弦楽団「スルギドゥン」に入団。1993年スーパー・パーカッション・グループ「PURI」創団メンバー。イ・ムンセ(歌手)のテレビ番組にも出演。現在も韓国伝統音楽とジャンルの違う音楽とのコラボレーションに活動中で、2009年に立ち上げた公演「新韓楽」ではジャズとコラボ―レーションした。日韓両国で数多くの公演。アルバム「HANA」(2015年/ユニバーサルミュージック・ジャパン)をリリース。ライブでは日本全国3万人を動員。国楽管弦楽の作曲にも力を入れ、2014年韓国文化芸術委員会で作曲賞受賞。「大衆に楽しんで聞いてもらえる楽曲作り」を目指す。現在、韓国芸術総合大学、梨花女子大学、秋藝芸術大学講師。

※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです

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