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【公演評】花組『マスカレード・ホテル』

粗野な刑事が品格あるホテルマンに?人気小説に瀬戸かずやがドラマシティ初主演で挑む

さかせがわ猫丸 フリーライター


 花組公演ミステリアス・ロマン『マスカレード・ホテル』が、梅田芸術劇場シアター・ドラマシティで1月5日に初日を迎えました(13日まで。1月20日~27日、日本青年館ホール)。

 この作品は、ベストセラー作家東野圭吾さんの「マスカレード」シリーズ第一弾で、2019年1月には木村拓哉さん主演で映画化されました。多くのファンを持つ人気作品のミュージカル化に、花組の瀬戸かずやさんがドラマシティ初主演で挑みます。

 キザでスマートな花組男役らしさが香る瀬戸さんは、いつも重要な役柄で芝居を引き締めています。2016年にはバウホール公演『アイラブアインシュタイン』で、研13にしてバウホール初主演をつかみ、安定感抜群の演技力と大人の魅力で着実に人気も高めてきました。コアなファンの話題をさらう2020年度のスターカレンダーにも選抜され、今、乗りに乗ってる瀬戸さんがついに東京進出を果たします。

やさぐれから上品に変身の瀬戸

拡大『マスカレード・ホテル』公演から、新田浩介役の瀬戸かずや=岸隆子(Studio Elenish)撮影

――都内で起きた3件の連続殺人事件。警察は現場に残された謎の暗号から、次の犯行現場がホテル・コルテシア東京と推測し、潜入捜査を決断する。捜査一課の刑事・新田浩介(瀬戸)はフロントクラークを命じられるが、言動や風貌はホテルマンとは程遠く、厳しい指導を行う教育係の山岸尚美(朝月希和)とも衝突を繰り返す。ホテルという舞台で“客”の仮面をつけた人々が起こすさまざまな騒動の中、ホテルマンに扮する新田たちは、連続殺人犯を追いつめることができるのだろうか。

 最初に登場する瀬戸さんは、長めの髪に革ジャン、デニムと、ちょっと崩れた二枚目刑事風で若々しさも満点です。肩で風を切るように歩き、言動やふるまいが粗野なのは、凶悪犯罪に立ち向かってきた証。上司の稲垣係長(和海しょう)に命令され、しぶしぶ配置につくものの、ホテルマンの制服が似合わないことこのうえない。やさぐれた雰囲気がむしろ愛らしく見えてしまうくらいです。しかし、山岸に指示をされて髪を切ると、たちまち上品なホテルマンになったのですが……。

拡大『マスカレード・ホテル』公演から、新田浩介役の瀬戸かずや(左)と山岸尚美役の朝月希和=岸隆子(Studio Elenish)撮影

 山岸から立ち居振る舞いを厳しく指導され、反論してもことごとく論破される新田は、『ミー&マイガール』でのマリアおばさまとビルを思い出しそう。それでも徐々にホテルマンらしくなり、刑事らしい洞察力を披露して山岸を助けたり、ホテルの日常業務でも活躍していくクレバーなキャラクターに、瀬戸さんがどんどんハマっていくのがわかります。上品に仕上がっていく様は、『マイ・フェア・レディ』に通じる痛快さがあるかもしれませんね。

◆公演情報◆
ミステリアス・ロマン『マスカレード・ホテル』
~原作 東野圭吾「マスカレード・ホテル」(集英社文庫刊)~
2020年1月5日(日)~1月13日(月)  梅田芸術劇場シアター・ドラマシティ
2020年1月20日(月)~1月27日(月)  日本青年館ホール
公式ホームページ
[スタッフ]
脚本・演出:谷 正純

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筆者

さかせがわ猫丸

さかせがわ猫丸(さかせがわ・ねこまる) フリーライター

大阪府出身、兵庫県在住。全国紙の広告局に勤めた後、出産を機に退社。フリーランスとなり、ラジオ番組台本や、芸能・教育関係の新聞広告記事を担当。2009年4月からアサヒ・コム(朝日新聞デジタル)に「猫丸」名で宝塚歌劇の記事を執筆。ペンネームは、猫をこよなく愛することから。

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