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たのきんトリオの誕生~ジャニーズの復活

太田省一 社会学者

たのきんトリオ~アイドルを生んだ『金八先生』

 そのような状況のなかで1979年10月に始まったのが、『3年B組金八先生』(TBSテレビ系)(以下、『金八先生』と表記)の第1シリーズである。

 主演はフォークグループ・海援隊の武田鉄矢。彼が演じる教師・坂本金八が、自分の受け持つ桜中学3年B組に次々と巻き起こる問題に取り組む姿を描いた作品である。海援隊による主題歌「贈る言葉」も大ヒット。武田が大学の教育学部に通っていたこともあり、劇中の授業シーンがひとつの見どころであった。

『3年B組金八先生』(TBSテレビ系)拡大『3年B組金八先生』(TBSテレビ系)=TBS提供

 このドラマは、先ほどふれた学園ドラマの新たなリアリズム志向を徹底させた点で画期的なものだった。

 教育現場の実情を踏まえた小山内美江子らの脚本は、思春期を迎えた中学3年生が抱える多様な悩みをきめ細かく描いた。受験、親や友人との関係、恋愛の悩みはもちろん、非行や性の問題を正面から取り上げ、世間の大きな反響を呼んだ。視聴率も右肩上がりとなり、最終回は39.9%(ビデオリサーチ調べ。関東地区)という驚異的な数字を記録した。

 この作品に3年B組の生徒役として出演し、人気が沸騰したのがジャニーズ事務所所属の3人、田原俊彦、近藤真彦、野村義男だった。彼らはこの出演を

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筆者

太田省一

太田省一(おおた・しょういち) 社会学者

1960年、富山県生まれ。東京大学大学院社会学研究科博士課程単位取得満期退学。テレビ、アイドル、歌謡曲、お笑いなどメディア、ポピュラー文化の諸分野をテーマにしながら、戦後日本社会とメディアの関係に新たな光を当てるべく執筆活動を行っている。著書に『紅白歌合戦と日本人』、『アイドル進化論――南沙織から初音ミク、AKB48まで』(いずれも筑摩書房)、『社会は笑う・増補版――ボケとツッコミの人間関係』、『中居正広という生き方』(いずれも青弓社)、『SMAPと平成ニッポン――不安の時代のエンターテインメント 』(光文社新書)、『ジャニーズの正体――エンターテインメントの戦後史』(双葉社)など。最新刊に『ニッポン男性アイドル史――一九六〇-二〇一〇年代』(近刊、青弓社)

※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです

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