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塚原大助&山野海&小山豊インタビュー/下

ゴツプロ!『狭間の轍』、人から派生したリアルな音が民謡

真名子陽子 ライター、エディター


塚原大助&山野海&小山豊インタビュー/上 

一番いい音を探って共鳴していくことを考えてくれる

――小山さんは作品にどのように関わっているんですか?

小山:曲を作るのと、舞台上で演奏をします。

塚原:『三の糸』の時は舞台袖で演奏してもらってたんですが、今回は舞台上で演奏してもらいます。

――そして、曲も作るんですね。

小山:何曲になるかまだ決まってないんですけれども、稽古を見ながらその場で作っていきます。

塚原:風の音も波の音もすべて和楽器で演奏してもらうんです。

山野:前回、『阿波の音』の台北公演用の曲を作るのに、1日スタジオを押さえてたんだけど、8曲ぐらいを4時間で作ってくれたんです。それもすべて物語に合っていて尺を調整するだけだったんです。あんなに興奮したことはなかったよね?

塚原:ないね。そういうことができるんですよね。芝居を見ながら曲を作るんです。

拡大左から、山野海、小山豊、塚原大助=岩田えり 撮影

山野:豊はいろんな経験値があるんですよ。松山千春さんや桑田佳祐さんなど、いろんな方たちといろんなことをやってるかと思えば、ちゃんと三代目としてやらなければいけないことは守っている。そこがすごく尊敬しているところで、でもそういう人って自我があって自分の中の決め事があるじゃないですか。でも豊はその自分がありながらも、ちゃんと私たちに添おうとしてくれるんですよ。それも、すべて添おうとするのではなく、ちゃんと小山豊があり、竹田新があり、ゴツプロ!がある中で、一番いい音を探って共鳴していくということを、この人はいつも考えているんです。

小山:すごく楽しいんですよね、音を付けて行く作業が。自分の引き出しの中から、こういうのはどうだろうと海さんと話し合いながら音をチョイスして。

山野:一番楽しい作業ですね!

――演奏は何人でされるんですか?

小山:尺八の方ともう一人三味線弾きが入って、プラス民謡の太鼓やいろんな小物の楽器が増えると思います。

――曲も伝統に沿ったものだけではなく?

小山:そうですね。ただ民謡が題材になっているので、全国の良いメロディをアレンジすることになると思います。

民謡が一番かっこいいってようやく気づいた

拡大小山豊=岩田えり 撮影

――ちなみに、いろんな音楽を聞かれるんですか?

小山:分け隔てなく世界中の音楽を聞きますね。

――もともと音楽が好き?

小山:めちゃめちゃ好きです。

――津軽三味線小山流宗家のお生まれなんですよね。

小山:そうです、三味線弾きの三代目です。

――生まれた時からある意味将来が決まっているって、どんなお気持ちだったんですか?

小山:やっぱりイヤでした。10代の頃はどうにかして逃げようと思っていましたから。

――三味線からですか?

小山:そうです。すごくイヤだったんですけど、気づいたらそれしかなくて。それまでいろんなことをやったんです。バンドを組んだり、ブラスバンドもやりました。そういう経験もすべて三味線で表現するように自ずとなっていきましたね。結局、民謡が一番かっこいいってようやく気づいたんです、源流も含めて。

――どこがかっこいいんでしょう?

小山:音楽って人だと思うんですけど、その人から派生したすごくリアルな音が民謡だと思うんです。かっこつけるわけでもなく、心に寄り添う歌だったり、力が出る歌だったり、すごくストレートだし、歌う人によって違って当然で、だからこそかっこいい。だんだん音数も減ってくると言うか、間(ま)が怖いから手数をいっぱい入れてきたんだけど、その間がすごく良い要素であることにだんだん気づいてきました。

山野:俳優もそこを目指してるからね、どう削っていくかだから。

小山:最終的には無(む)になれば一番良いかなって思います。

◆公演情報◆
ゴツプロ!第五回公演
『狭間の轍』〜怒ったってしょうがねぇから、笑ってんだよ。〜
東京:2020年1月24日(金)~2月2日(日) 本多劇場
大阪:2020年2月6日(木)~2月9日(日) 近鉄アート館
台湾:2020年2月21日(金)~3月1日(日) 台北華山1914文創園區烏梅劇院
公式ホームページ
[スタッフ]
脚本:竹田 新
演出:山野 海
民謡歌唱指導:伊藤多喜雄
プロデューサー:塚原大助
[出演]
塚原大助、浜谷康幸、佐藤正和、泉 知束、かなやす慶行、渡邊 聡、44北川、関口アナン、内谷正文、石川よしひろ
[演奏]
小山豊(津軽三味線小山流三代目)
小山会青年部
小湊昭尚(尺八奏者)
白鳥良章(尺八奏者)

〈塚原大助プロフィル〉
 中国最西端の町カシュガルからラオスを抜け、タイのバンコクまで自転車で単独走破という経歴を持つ。劇団ふくふくやの中心メンバーで活動しながら、自身でもゴツプロ!を主宰している。舞台を中心に幅広い表現力を見せ、映画『コンプリシティ/優しい共犯』、テレビ東京系ドラマ24『Iターン』、舞台『後家安とその妹』などに出演。
公式twitter

〈山野海プロフィル〉
 女優、劇作家、脚本家。4歳から子役として活動を開始し、舞台や映画に出演。1999年、劇団ふくふくやを立ち上げ、全公演に出演。作家“竹田新”として脚本を書き下ろす。『救命病棟24時』や大河ドラマ『八重の桜』など、ドラマ作品にも多数出演。2016年にゴツプロ!第1回公演『最高のおもてなし!』で演出家としてもデビュー。それが書籍化され、初の書籍『最高のおもてなし!』(竹田新)が2017年秋に幻冬舎から出版された。
公式twitter

〈小山豊プロフィル〉
 幼少より津軽三味線小山流宗家(祖父)小山貢翁に師事。日本最大流派の一つである小山流の三代目として、国内・海外で演奏活動を行っている。古典以外でも、松山千春や桑田佳祐、嵐、ももいろクローバーZといった人気グループとの共演や、狂言師野村萬斎氏構成演出の『マクベス』への参加など、コラボレーションは多岐にわたる。津軽三味線や民謡の魅力を伝えるため、伝統の継承とともに、枠にとらわれない柔軟な新たな解釈で既存には無いサウンドを生み出し続けている。
公式ホームページ
公式twitter

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筆者

真名子陽子

真名子陽子(まなご・ようこ) ライター、エディター

大阪生まれ。ファッションデザインの専門学校を卒業後、デザイナーやファッションショーの制作などを経て、好奇心の赴くままに職歴を重ね、現在の仕事に落ち着く。レシピ本や観光情報誌、学校案内パンフレットなどの編集に携わる一方、再びめぐりあった舞台のおもしろさを広く伝えるべく、文化・エンタメジャンルのスターファイルで、役者インタビューなどを執筆している。

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