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村井良大&甲斐翔真インタビュー/下

『デスノート THE MUSICAL』、とにかく夜神月として存在したい

真名子陽子 ライター、エディター


村井良大&甲斐翔真インタビュー/上

デスノートに名前を書いた瞬間…

――台本を読ませていただいたのですが、単なるエンターテインメント作品ではないと改めて感じました。命の在り方など、どんな風に受け止めていらっしゃるのかなとも。

甲斐:夜神月は命の重さを途中で見失ってしまうじゃないですか。命というものを客観的に見れていないからキラになってしまう。それを表現する僕らが、あまり命について考えすぎちゃうと夜神月としてダメな気がするんです。

拡大村井良大(左)と甲斐翔真=岩田えり 撮影

――なるほど、確かにそうですね。

村井:基本、舞台上で夜神月がデスノートに名前を書くことはないんですけど、リンド・L・テイラーだけは書くんですね。稽古で初めて名前を書いた時、書き終わった瞬間「ああ、これで死ぬんだ」って、恐ろしいし簡単すぎるって思ったんですよね。なんだろう……ちょっと戸惑いましたし焦りましたし、変な感覚になりました。でも、夜神月がリンド・L・テイラーを殺す時には、もう人を殺すことに対して慣れすぎて麻痺してるんだと栗山さんがおっしゃったんです。もう何百人も殺しているから、その中の一人。単なる一でしかないからどうでもいいんだよと。だから、麻痺しているという状況が正しいんだと思う。あとはやっぱりゲーム感覚でできちゃうんだなって思いました。

拡大村井良大=岩田えり 撮影

――ゲーム感覚というのがとても怖いです。

村井:街中の人達がとても機械的に動いてるんですよね、ずっとスマホを見ながら。その稽古をして思ったのが、臨時速報で立てこもりの凶悪犯が捕まりました、人質が解放されましたとニュースが流れるんだけれども、そこに興味はまったくない。「ふ~~ん、よかったね」くらいで、痛みを知らない人が増えてるのかなと思います。それは僕もそうですし、隣のおじさんに怒られる時代ではなかったし、ケンカもあまりしない世代ですから。でも、翔真の叔父さんがすごく興味深いことを言ってたんだよね、今の若者が怖いって。

甲斐:叔父さんは昔はやんちゃだったらしいんですが、当時より今の若者とケンカする方が怖いだろうなって。何をされるか分からないからって言ってました。

村井:いきなり刺してきたりとか、感情の段階がないんだろうね。

甲斐:SNSで誹謗中傷が平気でできるじゃないですか。それが原因で追いつめられて死を選んでしまうこともある。それって、ほぼデスノートですよね。とてもやりきれないですよ。

村井:学校でいじめがあって誰が悪いんだってなった時に、いじめていた子はもちろん加害者なんだけど、周りの子達も助けることをしなかった。そこで興味深いことを言ってたんだけど、悪いのは空気だって言ったんだって。クラス全体がいじめる空気になってしまった、その空気感が犯人だと。それって日本あるあるだなと思ったんです。その時の雰囲気がこうだったからとか、みんながそうだったからとか。

拡大甲斐翔真=岩田えり 撮影

甲斐:「私が、俺が」っていう文化ではなくて、周りと合わしていれば、みんなの輪の中に入っていれば大丈夫という文化だからかも。

村井:話すと純粋な子も多いし、人の痛みを知ってる子もいるんだけどね。集団になると何かおかしくなるのかな。

◆公演情報◆
『デスノート THE MUSICAL』
東京:2020年1月20日(月)~2月9日(日) 東京建物 Brillia HALL(豊島区立芸術文化劇場)
静岡:2020年2月22日(土)~2月23日(日) 清水マリナート
大阪:2020年2月29日(土)~3月1日(日) 梅田芸術劇場 メインホール
福岡:2020年3月6日(金)~3月8日(日) 博多座
公式ホームページ
公式twitter
[スタッフ]
音楽:フランク・ワイルドホーン
演出:栗山民也
[出演]
村井良大/甲斐翔真(Wキャスト)、髙橋颯
吉柳咲良、西田ひらり
パク・ヘナ、横田栄司、今井清隆 ほか

〈村井良大プロフィル〉
 東京都出身。2007年のドラマ『風魔の小次郎』でドラマ初主演を飾り、その舞台版でも主役を務める。以降『仮面ライダー ディケイド』『戦国鍋TV』などテレビ番組で人気を集める。最近の主な出演作は、『魔界転生』、『あなたの初恋探します』、『99才まで生きたあかんぼう』、『きみはいい人、チャーリー・ブラウン』、『真田十勇士』、『RENT』など。
公式ブログ

〈甲斐翔真プロフィル〉
 2016年「仮面ライダーエグゼイド」でドラマデビュー。その後、ドラマ、映画などの話題作に出演。主な出演作品は、ドラマ『花にけだもの』、『いつか、眠りにつく日』、『時空探偵おゆう 大江戸科学捜査』、映画『君は月夜に光り輝く』、『覚悟はいいかそこの女子。』、『写真甲子園 0.5秒の夏』など。2020年1月24日公開予定の映画『シグナル100』に出演。
公式twitter
公式instagram

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筆者

真名子陽子

真名子陽子(まなご・ようこ) ライター、エディター

大阪生まれ。ファッションデザインの専門学校を卒業後、デザイナーやファッションショーの制作などを経て、好奇心の赴くままに職歴を重ね、現在の仕事に落ち着く。レシピ本や観光情報誌、学校案内パンフレットなどの編集に携わる一方、再びめぐりあった舞台のおもしろさを広く伝えるべく、文化・エンタメジャンルのスターファイルで、役者インタビューなどを執筆している。

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