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佐藤隆太インタビュー/下

『エブリ・ブリリアント・シング』で起こる拍手は、観客全てに贈られるもの

橘涼香 演劇ライター


佐藤隆太インタビュー(上) 

前を向いて明日への力になる作品

──演出の谷賢一さんは福島と原発の関係を掘り下げていかれた「福島三部作」などで今、大変な注目を集めている方ですが、ご一緒されるに当たってはいかがですか?

 創られるお芝居を拝見していても、実際にお話をさせて頂いても、とても細やかなところに着目される方だなと感じました。今、稽古中ですが、お稽古場でのやりとりはとても楽しく充実しています。

──つまり、お稽古も一対一ということですものね。

 お互い逃げ場がないですからね! だからこそ、その状況を存分に楽しみたいですし、たくさん話しあって行きたいです。僕らだけで創るものであり、自由度も高いので。この作品自体が、演じるのも別に男性でなくてはいけないという縛りがある訳ではないし、上演する国に合わせてスムーズに進行できるように変更していって構わないというベースがあるんですね。

 とは言っても、我々はそこまで日本に寄せた作品にしようとは思っていなくて、テイストをガラリと変えない中で、如何に日本のお客様にフィットしたものにしていくか?という方向にしていきたいです。でも本当にね、これ自分が出ていなかったら、もっと皆さんに「絶対観た方が良いよ!」と勧めまくるんですけど、僕がやることになったのがね(笑)!

拡大佐藤隆太=森好弘 撮影

──いえいえ!勧めましょう!是非!

 そうですね! 言っていこう!(笑)。素晴らしい作品ですから!

──中でも佐藤さんが感動した、ここが心に刺さったというところを言葉にして頂くとすると?

 やっぱり最後ですね。作品をすべて走り抜けた時に起こる拍手が、演者に対してだけのものではないんです。参加してくださったそれぞれの観客の皆様にも拍手が贈られる。この時間の中で、僕ら皆で一緒に物語を紡いだんだという感動があるのが、この作品だけの良さだなと思います。それは僕だけではなくて、皆が感じていることだという実感があったので、日本版でもそこにたどり着きたいですね。物語のベースに流れているものは、かなり切ないのに、観終わってとても爽やかな気持ちになる。温かいものが流れて心地良いのは、その為だと思うんです。おそらく生きていれば誰にでも抱えているものはあると思うんです。でもそこから前を向いていく、明日への力になる作品ですね。

◆公演情報◆
『エブリ・ブリリアント・シング』~ありとあらゆるステキなこと~
東京:2020年1月25日(土)~2月5日(水) 東京芸術劇場 シアターイースト
新潟:2020年2月8日(土)~2月11日(火・祝) りゅーとぴあ 新潟市民芸術文化会館・劇場
松本:2020年2月15日(土)~2月16日(日) まつもと市民芸術館 実験劇場
名古屋:2020年2月18日(火)~2月19日(水) 名古屋市千種文化小劇場
大阪:2020年2月22日(土)~2月23日(日) 茨木クリエイトセンター
高知:2020年2月29日(土)~3月1日(日) 高知市文化プラザかるぽーと
公式ホームページ:
[スタッフ]
作:ダンカン・マクミラン ジョニー・ドナヒュー
翻訳・演出:谷 賢一
[出演]
佐藤隆太

<佐藤隆太プロフィル>
 大学在学中だった1999年に宮本亜門演出のミュージカル『BOYS TIME』(PARCO劇場)で舞台デビューして注目されると、テレビドラマ「池袋ウエストゲートパーク」、「木更津キャッツアイ」、「プライド」、「海猿 UMIZARU EVOLUTION」などの話題作、注目作に次々と出演し、初の連続ドラマ主演作となった「ROOKIES」の熱血教師役で一気にブレイク。また、テレビ・映画などでの活躍と並行して舞台出演も続けている。主な舞台出演作品は、Team申 第1回公演『時には父のない子のように』、『ビロクシー・ブルース』(初主演)、『ダブリンの鐘つきカビ人間』、『足跡姫〜時代錯誤冬幽霊〜』、『いまを生きる』など。
公式ホームページ

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筆者

橘涼香

橘涼香(たちばな・すずか) 演劇ライター

埼玉県生まれ。音楽大学ピアノ専攻出身でピアノ講師を務めながら、幼い頃からどっぷりハマっていた演劇愛を書き綴ったレビュー投稿が採用されたのをきっかけに演劇ライターに。途中今はなきパレット文庫の新人賞に引っかかり、小説書きに方向転換するも鬱病を発症して頓挫。長いブランクを経て社会復帰できたのは一重に演劇が、ライブの素晴らしさが力をくれた故。今はそんなライブ全般の楽しさ、素晴らしさを一人でも多くの方にお伝えしたい!との想いで公演レビュー、キャストインタビュー等を執筆している。

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