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ウィンドウズ7支援終了に苦しむ――文系の恨み節

杉田聡 帯広畜産大学名誉教授(哲学・思想史)

 いま、パソコンは完全に必需品になった。少なくとも文系研究者である私にとって。パソコンに関しては分からないことだらけで、ひとまず使っているだけというのが現状だが、分からないなりに、パソコンについて言いたいことは山ほどある。

 今、ウィンドウズ7の10への「支援」(サポート)が終了しただけに、この思いは頂点に達した感がある。パソコンに詳しい人には、私が単に操作法を知らないだけであると判断される場合もあると思うが、ひとまず私の恨み節を記してみる。

改版で既存ソフトの多くが無用の長物となる

 特に今回のように、以前のOSへの支援がなくなり、否応もなく「改版」(バージョンアップ)しなければならなくなると、なぜこんなにも日本マイクロソフト社(以下MS社)の都合に合わせなければならないのかと、恨みたくもなる。

 なるほど改版は、ウィルス感染やサイバー攻撃に対処するために重要であることは分かる。だが、それ以外の多様な機能に手を加え、MS社は表向き、「性能が上がる」「使い勝手がよくなる」「今までと異なる新しい世界が開ける」などと宣伝するが、それはメーカー側の売り文句であって、実際に利用者のことがどれだけ考えられているかは疑問である。いやむしろ、使い勝手が悪くなったと感ずることが多い。

 最大の問題は、しばしば既存ソフトが使えなくなることである。

 パソコンにいろいろな機能を載せるのはいいが、そんなことより、以前のOSに対応した各種ソフトの利用可能性・互換性をこそ追求してもらいたい。

metamorworks/Shutterstock.com誰しもこんな経験が……  metamorworks/Shutterstock.com

貴重なソフト・データが数年でお蔵入りになった

 これまでの私の経験を書くが、90年代末、高価なソフト(作曲ソフト)とその関連機器(ソフトに付随する音源装置)を勇んで購入したものの、改版されたとたんにこれが使えないと知って、唖然としたことがある。

 ソフトのメーカーとしては新しいOSに対応する改定版を用意していたようだが、無料提供ではなかったために、私はそれを手に入れそこなった。それでも何とかなるかと、新OSパソコンにそのソフトを装備(インストール)してみた。

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