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雪組トップ3年目「強くなりたい」/望海風斗

【宝塚~朗らかに~】男役の参考にしてきたギャング映画で20年幕開け

日刊スポーツ新聞社・村上久美子


【日刊スポーツ・1月23日紙面(東京本社発行版)より】

拡大「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ」に主演している望海風斗(撮影・加藤哉)
 雪組トップ望海風斗(のぞみ・ふうと)は元日に、「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ」の兵庫・宝塚大劇場公演で、新年20年の幕を開けた。今年の抱負は、漢字一文字で「強」。あこがれの傑作ギャング映画をもとにしたミュージカルに臨んでいる。宝塚で2月3日まで上演中。東京宝塚劇場は2月21日~3月22日。

 ギャング映画を男役としての参考にしてきた望海にとって、悲願でもあった。

 「いや~っ! すごくうれしかった。小池先生もこの映画が大好きだ、と。いつかやるんじゃないかとは思っていたので、自分もその一員として出演したいなって…。でも、まさかヌードルス(主演)をさせていただけるなんてっ!」

 演出の小池修一郎氏が舞台化を温めつつ、作風に影響を受けた作品だった。

 「ギャング…そうならざるを得なかった人たちの背景。底からてっぺんを目指す。でも、うまくいかない。少年から長い期間を描き、自分の人生も振り返ることができるんじゃないか」

 20世紀の米社会が舞台。移民少年たちが成り上がろうとする様を描く。「(少年期も)自分たちでできるので、膨らませやすいですね」。かつて「アル・カポネ」を演じ、設定になじみもある。孤独、忍耐強さも持つ主人公だ。

 「人間的には共感できる部分も。ただ、私は(忍耐力は)全然ないです(笑い)。自分の感情なら、どうしても感情がこみ上げてしまうので、ある意味、発散できない役。怒りも」

 演じていて、03年の入団から重なる部分も多い。

 「今となっては、すべてが『あってよかった』と思う。出会う人、作品に導いてもらった。当時は苦しく必死でしたが、だからこその今。すべて必要だった」

 次席入団し、劇団最古の花組に配属。新人公演、バウ主演を経験しつつも、個性に悩んでいた。13年、蘭寿とむ主演の「オーシャンズ11」でベネディクト役を得た。転機のひとつだ。

 「あれがなければ、こんなに舞台で感情をストレートに表現することは、できなかったんじゃないかなと思う。蘭寿さんは黙々と役作りをされ、背中を見せるトップさんだった。私も、できないなんて絶対言っちゃいけないと思えた」

 稽古を終えるたび、チームで反省会。自信をふくらませた。その後、同期の明日海りおが月組から花組へ。後に自身は雪組へ移りトップに就いた。昨年、明日海の本拠地退団時には花束を渡し「生まれ変わってもまた一緒に」とかわした。

 「(前星組トップ)紅(ゆずる)さん、明日海が退団したといえ、自分はあまり変わらず。これから(宝塚を)支えていかなきゃいけない若手が、どう経験を積めばいいのか。今、私たちができることを考えるのも責任だと感じています」

 花組、星組に新トップが誕生。5組最上級生トップになったが、望海の心は不惑。昨年は「振れ幅の大きな役をいただき、上にも下にも伸び、柔軟性がついた1年」と振り返り、今年は「新しさと宝塚の伝統も両立していきたい」と話す。

 2020年、新年の漢字を聞けば「強」と答えた。

 「強くなりたい。トップ3年目。1年目は周りが見えず皆に支えてもらい、2年目が過ぎ、今年はトップとして強く立って、皆に自由にしてもらいたい」

 充実の幕開けだ。

◆ミュージカル「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ」(脚本・演出=小池修一郎) 84年公開のギャング映画(セルジオ・レオーネ監督)をもとに世界初ミュージカル化。20世紀の米社会を背景に、ニューヨークの貧民街で暮らす移民少年が、ギャングとして成りあがる過程と友情、絆、恋を中心に描く。望海風斗演じる主人公らは少年期、青年期、初老期と3世代を演じる。

☆望海風斗(のぞみ・ふうと)10月19日、横浜市生まれ。03年入団。花組配属。09年「太王四神記」で新人初主演。14年「エリザベート」でルキーニ。同11月に雪組へ。15年「アル・カポネ」で東上初主演。17年7月に雪組トップ。前々作「ファントム」は、相手娘役真彩希帆とともに、圧巻の歌唱力で好評を得た。身長169センチ。愛称「だいもん」「ふうと」「のぞ」。

「宝塚~朗らかに~」はニッカンスポーツ・コムに連載中です。

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