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大学入試の検討会議、これで大丈夫なのか

「おっさん」だらけ、本音は非公開?、課題も抜け落ち、不安覚える初回傍聴記

刀祢館正明 朝日新聞記者

始まった検討会議、何をする?

入試検討拡大始まった「大学入試のあり方に関する検討会議」=2020年1月15日、東京・霞が関の文部科学省

 「大学入試のあり方に関する検討会議」が1月15日に始まった。

 新しい大学入試共通テストでの英語民間試験の活用や記述式問題の導入の見送りを受け、文部科学省が急きょ作った会議だ。初回を見て、気になったことがある。いくつか疑問と提案を書いてみたい。

 まず、この会議はそもそも何をする会議なのか、あるいは何が出来る会議なのか。

 以前、ある有識者会議を傍聴していて気になったのが、委員の一部が「自分たちが政策やルールを決める」「自分たちに決める権限がある」と思っているかのような言動をしていたことだ。一般にこうした会議や委員会は大臣からの諮問に答申したり、役所に提言したりするもので、政策やルールの決定権はないはずだが。なぜか思い違いをしていくようだ。

 今回はどうか。

 開始時刻の午前10時の少し前。会場となった文部科学省の講堂は、記者席も傍聴席もたくさんの人で埋まっている。

 入り口で渡された資料の中に「大学入試のあり方に関する検討会議の開催について」という、2019年12月27日付の「文部科学大臣決定」の文書がある。会議の「趣旨」として「『大学入試英語成績提供システム』及び大学入学共通テストにおける国語・数学の記述式に係る今般の一連の経過を踏まえ、大学入試における英語4技能の評価や記述式出題を含めた大学入試のあり方について検討を行う」とだけある。

 大学入試のあり方について「検討を行う」のであって「決定する」とはうたっていない。

 ここはお願いしておきたい。委員の皆さんにはくれぐれも「自分たちが決めるのだ」とか「その権限がある」といった考えに陥らないようにしてほしい。

 さらに読むと、なんらかの成果を「答申する」とも「提言する」とも書かれていないことに気づく。なるほど、検討しただけで終わってしまっても構わないということか。

 ここをどうとらえるべきか、注意が必要だろう。

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筆者

刀祢館正明

刀祢館正明(とねだち・まさあき) 朝日新聞記者

関西生まれの関東育ち。1982年朝日新聞入社。整理部記者、朝日ジャーナル記者、アエラ記者、学芸部(現・文化くらし報道部)の記者と次長、ロンドン・スクール・オブ・エコノミクス(LSE)客員研究員、早稲田大学非常勤講師、オピニオン編集部編集委員などを経て、現在は夕刊企画班のシニアスタッフ。2013年秋から2019年春まで夕刊で「英語をたどって」を連載した。担当した記事が本になったものに『塩の道を行く』『奔流中国』『3.11後 ニッポンの論点』など。英語は嫌いではないが得意でもない。

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