メインメニューをとばして、このページの本文エリアへ

news letter
RSS

杉田水脈議員ら保守界隈が夫婦別姓を毛嫌いする家庭の事情

確かに彼らの家族は崩壊するかもしれない

勝部元気 コラムニスト・社会起業家

 「それなら結婚しなくていい!」

 2020年1月22日の衆議院代表質問で、国民民主党の玉木雄一郎代表が選択的夫婦別姓の導入を求めたところ、自民党の席からそのようなヤジが飛んだことが、世間を大きく騒がせました。断定されたわけではありませんが、声の主は自民党の杉田水脈議員で間違いないだろうと言われています。

 ご存じの方も多いと思いますが、杉田議員といえば、「LGBTは生産性がない」「(性暴力被害者の伊藤詩織氏は)女として落ち度があった」「男女平等は、絶対に実現しえない反道徳の妄想」等、過去にも数々の問題発言を繰り返している人物です。

 以前、「論座」でも「杉田水脈という“名誉男性”が抱える「心の闇」」という記事で、彼女は大物男性議員が言えない本音を代弁する“特攻隊長”の役回りをまっとうしていると指摘しましたが、今回もその路線を踏襲していたのではないかと思われます。

 国民生活のハードルを取り除くのではなく、自己責任を押し付ける彼女の発言は、政治家として非常に問題だと思いますが、自民党の重鎮が彼女を強力にバックアップしている限り、今後も差別的な発言を繰り返すことでしょう。今回の件も、裏では「杉田よく言った!」「本当にその通りだ!」と労(ねぎら)いの言葉をかけているかもしれません。

杉田水脈衆院議員拡大杉田水脈衆院議員は男性議員が言えない“本音”を代弁しているかのようだ

選択制賛成派が近年急増している

 一方世論は、選択的夫婦別姓賛成の流れが近年加速しています。このヤジ発言後の1月25、26日に実施された朝日新聞の電話世論調査でも、選択的夫婦別姓賛成派は既に69%に達しました。今回より携帯電話も加えたという調査方法の違いこそあれ、賛成派は2015年の49%より大幅に増えています。5年で約20ポイントも増えるのはかなり大きな変化です。

 もしかすると、今回のヤジのように、「同姓ルールに従わなければ結婚するべきではない」という態度がいかに愚かで恥ずかしく情けないことかを世間に示してくれたおかげで、賛成派が増えた面もあるかもしれません。

 いずれにせよ、賛成69%という数字は、レイトマジョリティー(※後期追随者/新しいものの受容に懐疑的で、周囲の大多数が受容しているのを見てから受容する層。イノベーター理論における5つのグループのうち4番目のグループ)も「賛成」へと雪崩を打ち始めた結果だと思います。保守派の代表格であった稲田朋美幹事長代行も昨年(2019年)選択制賛成派に回っており、「キャズム(谷)」を越えたと見なして間違いなさそうです。

 ですが、それでも、依然としてラガード(※遅滞者/5番目のグループで、最後になって受容するか、最後まで受容しない人々)と思われる24%の人々が反対を表明しています。

全ジャンルパックなら本の記事が読み放題。


筆者

勝部元気

勝部元気(かつべ・げんき) コラムニスト・社会起業家

1983年、東京都生まれ。民間企業の経営企画部門や経理財務部門等で部門トップを歴任した後に現職。現代の新しい社会問題を「言語化」することを得意とし、ジェンダー、働き方、少子非婚化、教育、ネット心理等の分野を主に扱う。著書に『恋愛氷河期』(扶桑社)。株式会社リプロエージェント代表取締役、市民団体パリテコミュニティーズ代表理事。所有する資格数は71個。公式サイトはこちら

勝部元気の記事

もっと見る