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【公演評】星組『眩耀の谷 ~舞い降りた新星~』

歌え!踊れ!弾けろ!新トップスター礼真琴率いる星組の新しい時代が動き出す

さかせがわ猫丸 フリーライター

 星組公演幻想歌舞録『眩耀の谷 ~舞い降りた新星~』、Show Stars『Ray -星の光線-』が、2月7日、宝塚大劇場で初日を迎えました。

 スターの宝庫・95期生を代表する礼真琴さんが、いよいよ星組トップスターに就任します。相手役に102期首席入団の舞空瞳さんを迎え、首席コンビの誕生に、どんなクオリティ高い舞台が見られるのか、その期待の高さも半端ではないでしょう。

 本拠地・大劇場でお披露目となる作品は、紀元前の中国を舞台に、志高い一人の青年が困難を乗り越え、成長していく姿を描く幻想的な歴史ファンタジー。演出・振付でおなじみのOG謝珠栄さんが、星組新トップコンビのために、初めて脚本を手掛けています。

 耳をくすぐる甘い歌声にしびれるダンス、熱い演技でファンを魅了し続ける礼さん率いる星組の新時代。歌え!踊れ!弾けろ!礼さんの爆発力についていく星組生たちの活躍がまぶしい公演となりました。(以下、ネタバレがあります)

名実ともにリーダーとなる礼

拡大『眩耀の谷 ~舞い降りた新星~』公演から、丹礼真役の礼真琴=岸隆子 撮影

 2009年の初舞台から星組に配属された礼さんは、早くから歌やダンスで重要なポジションをつとめ、星組の舞台を力強く支えてきました。昨年のプレお披露目『ロックオペラ モーツァルト』では、宝塚の枠を飛び出すような歌とダンスで圧巻の舞台を披露。前トップ紅ゆずるさんの時代とはガラリと色を変えた魅力で、新生星組をアピールしました。

 本拠地でのお披露目は、オリエンタルなお芝居とエキサイティングなショーで華やかに幕開けです。

――紀元前中国。亜里に派遣された周の大夫・丹礼真(礼)は、宣王(華形ひかる)から「敵対する汶族が潜む眩耀の谷を見つけ出し、服従させよ」と命を下された。「汶族に和解を促し、正義に導くことが我らの務め」と語る管武将軍(愛月ひかる)に心酔した礼真は、己の使命に燃えるものの、眩耀の谷は一向に見つからない。そんなある日の夕暮れ時、森の奥で謎の男(瀬央ゆりあ)と出会った。男は礼真が口ずさんでいた歌を教えてくれたら、眩耀の谷に案内しようと言う。連れられた谷はこの世のものとは思えぬほど美しく、心を震わせる礼真だったが、突然、何者かに襲われ意識を失ってしまう。

 礼さん演じる礼真は、国のために任務を果たそうと意欲に燃える青年でした。若々しく純粋で、希望にあふれた姿は、まさに礼さんそのものの。王や将軍に対しての忠誠心も厚く、その瞳に迷いや疑いはありません。

 そんな礼真が汶族と出会い、彼らの生きざまに触れることによって、正義と信じていたものが揺らぎ始め、苦悩と葛藤に直面します。何が真実かを己の目で確かめ、自らの信念に基づいて歩み出す男の成長過程を、礼さんはリアルに描き出していました。物語前半の幼さすら感じるピュアな青年から、後半は頼もしいリーダーへ。声色から表情、立ち居振る舞いまでガラリと変わる様子にはぜひご注目ください。

 長い剣を操るダンスや殺陣のシーンでも身体能力の高さをいかんなく発揮し、腕の立つ武者としての説得力も抜群だったのは言うまでもありません。

◆公演情報◆
『眩耀の谷 ~舞い降りた新星~』『Ray -星の光線-』
2020年2月7日(金)~3月9日(月) 宝塚大劇場
2020年3月27日(金)~5月3日(日) 東京宝塚劇場
公式ホームページ
[スタッフ]
『眩耀の谷 ~舞い降りた新星~』
作・演出・振付:謝 珠栄
『Ray -星の光線-』
作・演出:中村 一徳

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筆者

さかせがわ猫丸

さかせがわ猫丸(さかせがわ・ねこまる) フリーライター

大阪府出身、兵庫県在住。全国紙の広告局に勤めた後、出産を機に退社。フリーランスとなり、ラジオ番組台本や、芸能・教育関係の新聞広告記事を担当。2009年4月からアサヒ・コム(朝日新聞デジタル)に「猫丸」名で宝塚歌劇の記事を執筆。ペンネームは、猫をこよなく愛することから。

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