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葵わかな×麻実れいが語る『アナスタシア』/下

アナスタシア伝説を描いたブロードウェイミュージカルが日本初演

大原薫 演劇ライター


葵わかな×麻実れいが語る『アナスタシア』/上 

アーニャは逆境をはねのけるパワーを持った女の子

――今、「それぞれの個性が出ている」という話が出ましたが、葵さんはアーニャをどう演じたいと思いますか?

葵:話のベースには帝政ロシアが崩壊するという悲劇が背景にあって、アーニャ自身も落ち込みやすいところがあるんです。実際、皇太后と再会する前やグレブと対峙する瞬間は暗い気持ちになりそうになる。でも、明るいエネルギーにあふれたストーリーだし、逆境をはねのけられるような前向きなパワーを持った女の子として演じたいと思います。それは、演出家の方とも意見が一致しているところです。必死に生きているからこそ、見ている人が笑えてくるようなチャーミングさを入れたいなと思っています。ディミトリやグレブが惹かれる役なので、どうやったら女性らしく魅力あるキャラクターになれるかなというのは今模索中です。

麻実:そこは模索しなくて大丈夫よ(笑)。

――アーニャ役ダブルキャストの木下晴香さんはいかがですか?

葵:晴ちゃんのアーニャは筋が通っていて、柳のように風を受けてもしなやかに受け流していけるような強さのあるアーニャだなと思います。私の場合は(力を入れて)「えいっ」とぶつかっていくので、同じ強さでも種類が違うなって。晴ちゃんを見ていてうらやましいし、尊敬します。

麻実:わかなさんと晴香さん、それぞれに魅力があふれていますよ。

拡大葵わかな(右)と麻実れい=宮川舞子 撮影〈ヘアメイク:石川奈緒記(葵わかな)・国府田圭(麻実れい)〉

――そんなアーニャ役お二人と対峙するマリア皇太后は、作品の根幹の部分を支える役どころです。

麻実:このミュージカルの中でマリアの役どころは作品の骨格的な部分を要求されるので、責任がありますし、大変緊張しますね。これまでストレートプレイで(女王役の)エリザベス一世やメアリ・スチュアートをどっしりとした重みをもって演じてきましたが、今回はミュージカルで音楽に合わせて台詞を言うということで、ストレートプレイのときのように重く演じるのは相応しくない。チャーミングさがあふれたマリア皇太后としてお見せできたらと思いますが、その中にもロマノフ王朝最後の皇太后として大きさは出さないといけないなと思います。

◆公演情報◆
ミュージカル『アナスタシア』
東京:2020年3月1日(日)~3月28日(土) 東急シアターオーブ
大阪:2020年4月6日(月)~4月18日(土) 梅田芸術劇場 メインホール
公式ホームページ
[スタッフ]
脚本:テレンス・マクナリー
音楽:ステファン・フラハティ
作詞:リン・アレンス
振付:ペギー・ヒッキー
演出:ダルコ・トレスニャク
[出演]
葵わかな・木下晴香
海宝直人・相葉裕樹・内海啓貴
山本耕史・堂珍嘉邦(CHEMISTRY)・遠山裕介
大澄賢也・石川禅/朝海ひかる・マルシア・堀内敬子
麻実れい ほか
※海宝直人は東京公演のみ出演。
 
〈葵わかなプロフィル〉
 2009年に女優としてデビュー。その後、映画など多数の映像作品に出演し、2017年には、NHK連続テレビ小説「わろてんか」にてヒロインを演じる。2019年、『ロミオ&ジュリエット』のジュリエット役でミュージカルに初挑戦。現在公開中の映画『キャッツ』では日本語吹き替えを担当している。
公式ホームページ
公式twitter
 
〈麻実れいプロフィル〉
 宝塚歌劇団雪組男役トップスターとして活躍し、1985年退団。以降、多くの話題作に出演。リサイタルなどでも活躍。おもな出演作は、『炎 アンサンディ』『8月の家族たち』など。芸術選奨文部科学大臣賞、紫綬褒章、読売演劇大賞最優秀女優賞、毎日演劇賞、朝日舞台芸術賞、紀伊國屋舞台演劇賞個人賞など受賞多数。

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筆者

大原薫

大原薫(おおはら・かおる) 演劇ライター

演劇ライターとして雑誌やWEB、公演パンフレットなどで執筆する。心を震わせる作品との出会いを多くの方と共有できることが、何よりの喜び。ブロードウェー・ミュージカルに惹かれて毎年ニューヨークを訪れ、現地の熱気を日本に伝えている。

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