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人間国宝の師匠は言った。「ヨンチ、もっと自由に音楽を表現しなさい」

伝統音楽とJAZZはよく似ている。ライブを生で見ないと、本当の良さはわからない!

ミン・ヨンチ ミュージシャン 韓国伝統音楽家

JAZZはその場で即興で作曲しながら演奏するのです

 こんな感じで、4公演を彼らの素晴らしい演奏と、素晴らしい観客と共に、一緒に楽しく何とかやり終えた。

 私も負けず嫌いなので、はげしいバトルも何度か繰り広げられたので、ツアー終了後、身体はボロボロ。

 けどね、なによりも彼らと一緒に演奏するのは、楽しい!! 刺激にもなる!!

 なので、できるだけ、年に1度ツアーに入れてもらうようにしている。

 それは私の勉強である。訓練である。そして修行。

拡大大阪のジャズハウスでのリハーサル風景=2020年2月8日

 もちろん普段も、新しい曲を書いたり、演奏したりしているが、大体は楽譜どおりの演奏。もちろんこれも難しさが楽しさになるよ。

 けどね、JAZZは、その場で、周りの音を聞きながら、その場で即興で作曲しながら、演奏するのですよ。すごいでしょ。

 ある脳科学者が一番脳をフル活動している職業はミュージシャン、と言っているのを聞いたことがあるが、その中でもJAZZミュージシャンの脳が一番忙しいんじゃないかなあ。

 そしてそのアドリブは、韓国伝統音楽にも意外に多くあるんですよ。特に民俗音楽には、アドリブや即興性が高く求められるので。JAZZと韓国伝統音楽は非常に共通している。

 私はね、幸いにも韓国伝統音楽の二人の人間国宝の師匠に師事することができました。そのお二人ともおっしゃったのをよく覚えている。

 「ヨンチ、もっと自由に音楽を表現しなさい」と。

 自由と言っても、もちろん基礎をちゃんとできてからですよ。

 その事を、日本の邦楽の、とある人間国宝さんに伝えたら、「日本も一緒ですよ」って。

 ビックリ!した私は、「日本の伝統はきまりが多くて、それを少しでも破ると破門!!みたいなイメージが強いですけど」。

 そしたら、その人間国宝さんが、「もちろん、きまりは大事だが、ちゃんと認められるようになったら、邦楽も結構自由にやっていいんですよ」「邦楽にそういうイメージが付いたのは、奏者より理論者の方が力を持ち始めてからかな」。

 理論者=評論家かな。っておっしゃった。

 へええーー。そうなんだ。目から鱗であった。

 そういえば韓国伝統音楽業界も、評論家たちがだんだん力をつけ、伝統音楽を細かくジャンル分けしていったりしている。

 しかも内容は、評論家の個人の主観や主張がはげしくなる一方。だいたい、音楽のうまい人は口が立たないから、文字や喋りでは、評論家に負けてしまうよね。

 だんだん韓国もそうなるのだろうか……。

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筆者

ミン・ヨンチ

ミン・ヨンチ(閔 栄治) ミュージシャン 韓国伝統音楽家

大阪生まれ。幼少の頃からブラスバンドやドラムを経験し、高校から韓国へ。旧李王朝雅楽部養成所であった国立国楽高等学校に入学、ソウル大学音楽学部国楽科卒。1992年サムルノリ競演大会個人部最優秀賞。1992年国楽室内管弦楽団「スルギドゥン」に入団。1993年スーパー・パーカッション・グループ「PURI」創団メンバー。イ・ムンセ(歌手)のテレビ番組にも出演。現在も韓国伝統音楽とジャンルの違う音楽とのコラボレーションに活動中で、2009年に立ち上げた公演「新韓楽」ではジャズとコラボ―レーションした。日韓両国で数多くの公演。アルバム「HANA」(2015年/ユニバーサルミュージック・ジャパン)をリリース。ライブでは日本全国3万人を動員。国楽管弦楽の作曲にも力を入れ、2014年韓国文化芸術委員会で作曲賞受賞。「大衆に楽しんで聞いてもらえる楽曲作り」を目指す。現在、韓国芸術総合大学、梨花女子大学、秋藝芸術大学講師。

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