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新納慎也が『十二夜』で恋する公爵を演じる/上

「1番笑える」と呼び声が高い「青木豪×シェイクスピア」作品をバージョンアップ

大原薫 演劇ライター


 ウィリアム・シェイクスピアの傑作喜劇『十二夜』に新納慎也が出演する。『十二夜』はイギリスの文豪シェイクスピアの作品の中でも四大喜劇の一つに数えられる傑作。「双子の兄セバスチャンと妹ヴァイオラが船の難破により生き別れになり、ヴァイオラは身を守るために男装してシザーリオと名乗り、公爵オーシーノの小姓となる……」というストーリー。

 上演台本・演出は青木豪。これまで『ヴェニスの商人』『お気に召すまま』『恋におちたシェイクスピア』などを手掛け、キャラクターの生き生きとした描写には定評がある。特に2013年に上演した『十二夜』は「1番笑えるシェイクスピア喜劇」との呼び声も高かった。今回キャストを一新、バージョンアップして上演する。

 新納が演じるオーシーノ公爵は伯爵家の女主人オリヴィアに恋をしているが、男装しているヴァイオラからも思いを寄せられるという役どころ。役柄について、シェイクスピアについて、オールメイル(出演キャストが全員男性)についてなど幅広くお話を伺った。

僕の提案で解釈ががらっと変わったところがあるんです

拡大新納慎也=岩田えり 撮影

――青木豪さんの演出によるシェイクスピア劇はどういうもの?

 シェイクスピア作品って観る前にちょっと身構えないといけない感じがあるじゃないですか。でも、豪さんが演出すると下北沢の小劇場のように気楽に観られるものになっている気がしますね。特に『十二夜』は重苦しいところがない喜劇ですから。「今日、仕事で嫌なことがあったな」と思ったとき、ふらっと帰りに劇場に寄ってケラケラっと笑って帰れるみたいな空気感があるなと思います。

――これまでは『十二夜』はご覧になったことはありますか。

 大地真央さん主演版や蜷川(幸雄)さんが演出した歌舞伎版、スタジオライフでも見ています。スタジオライフは男優だけの劇団なので、「女性の役を男優が演じて、その役が男装して……あれ、ちょっと待って、男女どっち?」みたいな(笑)。今回の公演もオールメイル(出演者が全員男性)だから、そういうややこしさはありますね。女性役を男性が演じるので、「えーと、この人は男性が女装しているんじゃなくて、女性として見ていいんだよね?」といちいち納得していかないといけないんです。でも、それで逆に面白さを増している気がしますね。

拡大新納慎也=岩田えり 撮影

――青木さんはどんな演出をなさる方ですか?

 最初はまず役者から出てくるものを見て、そこから軌道修正をしてくれるという形で演出されるんです。一発目のプレゼンテーションは役者からという演出の仕方なので、演じる側としては一緒に作っている感じがあって楽しいですね。

――新納さんはオーシーノ役としてはどういうプレゼンテーションをなさいましたか。

 実はオーシーノは結構出番が限られていて、途中で出番がしばらくないんですよ。最後に出てきたら「なんでそのことを知ってるんだ」とか「いつ心変わりしたんだ」とか、今までのシーンとつじつまが合わないことがあって。だから、最初の何シーンかのうちから段階を踏んで、オーシーノの気持ちが変化したんだということがわかるようにしたいなと思ったんです。それで、前回のワタナベエンターテインメントでの公演や他のプロダクションの公演でもやっていなかった解釈だと思うんですが、僕が「こう演じたい」と提示して、今回がらっと変えたところがあります。

◆公演情報◆
『十二夜』
東京:2020年3月11日(水)~3月22日(日) 本多劇場
大阪:2020年3月29日(日)~3月31日(火)近鉄アート館
公式ホームページ
[スタッフ]
作:ウィリアム・シェイクスピア
翻訳:松岡和子
上演台本・演出:青木豪
[キャスト]
前山剛久、新納慎也、納谷 健、三好大貴
坪倉由幸、清水宏
木場允視、根本大介、宮澤和之
阿南健治、春海四方、小林勝也
楽隊/ギター:助川太郎、アコーディオン:佐藤芳明
 
〈新納慎也プロフィル〉
 NHK大河ドラマ『真田丸』では豊臣秀次役を好演し、劇中での秀次没後には「秀次ロス」現象が起きた事は記憶に新しい。最近の主な舞台出演作品は、『日本の歴史』『生きる』『パレード』『ラ・カージュ・オフォール』『パジャマ・ゲーム』など。11月~12月にミュージカル『生きる』再演への出演が決まっている。
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筆者

大原薫

大原薫(おおはら・かおる) 演劇ライター

演劇ライターとして雑誌やWEB、公演パンフレットなどで執筆する。心を震わせる作品との出会いを多くの方と共有できることが、何よりの喜び。ブロードウェー・ミュージカルに惹かれて毎年ニューヨークを訪れ、現地の熱気を日本に伝えている。

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